8コマ/秒の高速連写機能を搭載したニコンのプロ向けデジタル一眼レフカメラ「D2H」。ニコン独自開発の撮像素子「LBCAST」の搭載と、より使いやすく一新されたボディが特徴。希望小売価格は49万円で、実売価格は39万8000円

 ニコンから発売されたデジタル一眼レフカメラ「D2H」は、高速撮影に対応した従来モデル「D1H」の後継機だ。現在のところ、高画素モデル「D1x」の後継機は発表されていないが、D1xをも超える部分が多いと話題になっている。

●白いホクロはホワイトバランス計測用のセンサー

 D2Hのスタイルを見てまず目を引くのが、ペンタ部のロゴのすぐ上にある白い点である。これは、今回新たに設けられた環境光センサーで、この部分で外光を計測することによりオートホワイトバランスの精度を高めているのだ。

基本的なデザインは先代の印象を残しつつ、よりコンパクトに見えるよう工夫している。液晶モニターにはプラスチック製のカバーが付属するが、従来の不透明なタイプから透明なタイプに変更された

背面の操作ボタン類は大型化したうえで円形のボタンに変更され、押しやすくなり操作性が向上した。また、液晶モニターは解像度の高い2.5インチの大型タイプが採用されたため、見やすさも格段にアップ

 従来は、レンズを通して入ってきた光だけを計測していたため、赤いじゅうたんなど単色の被写体を撮影しようとした場合や、蛍光灯や白熱灯などの人工光源下での撮影では、思った通りのホワイトバランスにならないこともあった。これを解消するためのセンサーは、他社のデジカメでも搭載している機種がいくつかあるが、D2Hでは縦横どちらにカメラを構えても測定できるよう、この位置に持ってきたのだという。

 実際に使ってみたところ、特に人工光源下での撮影では、オートホワイトバランスにした場合の精度がかなり向上しているように感じた。特に、ナイターで行われるサッカーの試合で選手をアップにして撮影した場合、派手なユニフォームの色と光源の色の影響で、これまでのデジカメではとんでもないホワイトバランスに設定されることがあった。しかしD2Hでは、オートのままでも最適な色にしてくれることがほとんどだった。

液晶モニターのサイズが大きくなったうえに画面の解像度も上がったので、メニュー画面の情報量は多くてかなり見やすい。メニューのレイアウトも工夫されており、操作感も上々だ 再生時の画面は、ファイル名や撮影日時などの情報を欄外に逃がすことにより、撮影した画像に文字が覆い被さらないように工夫されている。解像度の高さから、画面も鮮明で美しい

 カメラそのものの大きさはそれほど変わっていないのだが、各パーツが大型化されているのが注目される。特に目立つのが2.5型の液晶モニターで、これを見慣れてしまうと他のデジタル一眼レフカメラの液晶がかなり小さく感じてしまうほど。ただ、モニターの発色がやや青っぽいのが気になった。しっかりとホワイトバランスを確認して撮影したのに、「もしかすると設定を間違ったかな…?」と不安に感じてしまうのだ。

 また、従来モデルではモニターの部分が大きく出っ張っていたため、撮影時に鼻に当たってしまうのが気になった。D2Hではモニターが中央部に移動し、出っ張りもほとんどなくなったため、そのような不満はほとんど感じなくなった。

旧モデルのD1Hと同じボディを採用するD1x(右)と比較すると、本体サイズはほとんど変わらないものの、ひとまわり小型化されたような印象を受ける。また、D1H/D1xでは前面にあったACアダプターの端子が側面に移動するなど、コネクター類の配置も見直されて実用性が高まった

ペンタ部の白いパーツは、ホワイトバランスを測定するための環境光センサー。レンズから入る光の情報と合わせて利用し、オートホワイトバランスの精度を従来モデルより高めている バッテリーは従来モデルから一新され、大幅に小型化されたうえにリチウムイオンタイプに変更された。撮像素子などの電子回路が省電力化されたこともあり、バッテリーの持ちは優秀

 モニターだけでなく、各種操作ボタンも大型化が図られている。従来モデルは、爪の先で押さなければならないイメージだったのが、D2Hでは指の腹でしっかり押せる形状に変更された。背面は、D1系とD100を混ぜたようなレイアウトになっているが、ボタンの機能表記の文字も大型化されたため、わかりやすいと感じた。

●フィルムカメラ以上の高速連写機能に驚く

 連写は秒間8コマと、フィルムカメラの最上位モデル「F5」と同様のスピードを実現するほどになった。連写速度が向上したことで問題になるのがメディアへの書き込み時間だが、カメラ本体のバッファメモリーが40コマ分(JPEG記録の場合)も用意されているため、フィルム1本分以上を一気に連写できるのがすごい。