ソニー

HDR-HC1

実売価格:17万8000円

発売日:2005年7月7日

このモデルの注目ポイント ライバル機種はズバリこれ!
・ハイビジョンカメラ初の20万円以下、1kg以下のハン ディサイズ
・動画撮影中に静止画も撮影できる
・普通のDV記録もでき、ハイビジョン撮影したテープも従来方式テレビで楽しめる
・ソニー「HDR-FX1」
・日本ビクター「GR-HD1」

 ソニーから、今までの常識を破る小型化を実現したハイビジョン・ビデオカメラが登場! 18万円前後という実売価格も魅力的な「HDR-HC1」だ。

 これまで、家庭用のハイビジョンカメラというとわずかに日本ビクターの「GR-HD1」と、ソニーの「HDR-FX1」しかなかった。しかし、両機種共にボディーサイズと価格が“家庭用”とは言いにくい準業務用機のようなモデルであり、とても気軽に使える代物ではなかった。

 そこに登場したHC1は、まさに画期的と言えるコンパクトさ。DV方式ビデオカメラの現行売れ線モデルに比べれば大きいのだが、ちょっと前のHi8ビデオカメラとそん色ない大きさで、電池を装着した使用重量も約780gと、これならば気軽に持ち出して撮影してみようかという気にさせるサイズだ。街中や観光地で撮影しても驚かれることなく、旅の記録などにも最適な機種だろう。

 ここでちょっと説明しておきたいのが、HC1が採用した「HDV」というビデオ規格。これは通常のDVカセットテープにハイビジョン信号をMPEG2圧縮で録画するビデオ規格で、キヤノン、シャープ、ソニー、日本ビクターの4社によって策定された。日本ビクターのHD1が採用した有効走査線数720本プログレッシブ(順次走査)の「HDV720p」と、有効走査線数1080本インターレース(飛び越し走査)の「HDV1080i」の2方式があり、HC1は後者だ。

 HC1が採用したHDV1080iは、より自然な動き再現と解像感の高さに優れているのが特徴である。参考までに、情報量は通常のDV方式の720×480画素に比べ、HDV1080i方式は1440×1080画素と、約4.5倍。今後のハイビジョンビデオカメラの主流となるであろうと目される規格だ。

大きさを感じさせない優れた本体バランスと操作性

 はやる胸でHC1を手にすると、(ちょっと大きめかな……)という見た目の印象よりも手への収まりが良く、撮影を始めると大きさを感じさせない。ボディーの高さを抑え、左右幅も薄いので重量バランスに優れ、手首への負担がとても少ないのだ。

本体は横方向に薄いため重量バランスが良く、撮影時に手首に負担を感じにくい。ズームレバーは人さし指で左右に動かす方式だ

電源スイッチは半回転レバー式。押し下げるたびにテープ撮影/メモリー撮影/再生をトグルで切り替えられる

 ウィング式に横に開く液晶モニターは、2.7型12.3万画素。もちろん、16:9のワイドアスペクトで、ハイビジョンならではのワイド感を生かした構図が楽しめる。風景や、人物の2ショット(二人の人物の胸から上を写す構図)で撮影すると、画面にうまく収まり、撮影をしていてとても新鮮な気分だ。ただし、液晶画面は同社上位機種のFX1のものと比べると精細感に欠け、露出の細かな変化が分かりにくいと感じた。

液晶モニターは、もちろん16:9のワイド型。左枠にズームと録画ボタンを装備し、ローポジション撮影や自分撮り時などに操作が行いやすい

ボディ側面下部には、シーリングドアが設けられ、その中にHDV/DV端子、USB端子、AV出力端子、電源端子などが装備される。液晶を開けると本体面には誰でもワンタッチでフルオート撮影状態に復帰できる「オートロック」スイッチが付いているのも初心者にはうれしい レンズ部。大型のフォーカスリングは、切り替えでマニュアルズームリングとしても使える。広角端←→望遠端までのズーミングは回転角が大きいため難しいが、細かな画角調節はやりやすい

 便利なのは「拡大フォーカスボタン」だ。これは、画面の中央部だけを約2倍に拡大して液晶に映し出し、細かなピントをチェックできるというもの。デジタルカメラにはよく搭載されているおなじみの機能だが、ほとんどの機種ではただ単に拡大するだけで、細かな部分がより鮮明に見えるわけではない。ところが、HC1では拡大した分だけきちんと精細に映し出され、通常時では分からなかった細かなピントがかなりはっきりと確認できるようになる。風景やマクロ、舞台撮影などでは特に役に立つだろう。

 明るさ調節は上下のレバー式となっている。ソニーのビデオカメラの場合、タッチパネルによる操作かジョグダイヤルで行うことが多かった。しかし、タッチパネル式の場合、操作の迅速性に欠け、撮影中に液晶にタッチすると手振れの原因になるという問題がある。また、ジョグダイヤル式は理想的に思えるのだが、クリックが堅いとやはり手振れしやすいほか、クリック音をマイクが拾いやすかった。

 その点、このレバー式は使ってみるとなかなか操作性がいい。手振れの心配や、マイクが拾うタッチノイズも少なかった。さらに簡単に使いたい人のために、ワンタッチで被写体を明るくする逆光補正ボタンも装備されているし、マニュアル撮影機能は全般的に使いやすい。押している間だけオートフォーカス(AF)が作動するワンプッシュAFボタンがあればベストだが、そのあたりのこだわりはより上級機種で実現していくところなのだろう。

DVカセットは、ボディ底面から出し入れする。ただ、テープチェンジのたびに三脚から取り外す必要があるのはちょっと面倒 メモリーカードは、メモリースティックDuo/Duo PROを採用。280万画素相当の静止画撮影と、ビデオ撮影中の150万画素相当撮影、ビデオ再生時の静止画キャプチャーができる

マイクは4カプセル方式で、タッチノイズや撮影者の息などのノイズを効果的に低減。アクセサリーシューはインテリジェント式でビデオライトやマイクなどがワンタッチで取り付け可能だ 本体レンズ部上には、静止画撮影用のポップアップ式ストロボを装備

ファインダーは0.54型25万画素。跳ね上げ角度が少なく、ローポジション撮影には適さない。伸縮式でもないので、大型バッテリーを取り付けると頬(ほほ)に当たってしまうため、これを避けるため普通はファインダーをちょっと上向きにした使い方になるだろう 画像の明るい部分に斜め線をスーパーインポーズし、白とび警告をする「ゼブラ機能」を搭載。警告を70%と100%の2種類から選択できる。また、デジタルカメラライクなヒストグラム表示も画面右下に備えている

再生画面。テープ操作ボタンはオンスクリーンのタッチ方式だ メニューは、ソニー独自のアニメーション効果が楽しい3D表示

DV端子、映像端子からの出力はハイビジョンはもちろんだが、従来のDVやTVとつなげるよう、カメラ内部で変換出力することができて便利。ハイビジョンを持っていなくても楽しめるし、旅先のホテルのテレビで映像チェックも可能だ

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