ソニー

LIBRIé EBR-1000EP

オープン(推定実勢価格は4万2000円)

発売日:4月24日




松下電器産業

ΣBook BKE-AW-N7

価格:3万9795円

発売日:2月20日


『インストール』(c)綿矢りさ/河出書房新社

 ソニーと松下電器産業から相次いで電子ブック端末が登場した。電子ペーパーを採用したソニーの「LIBRIé(リブリエ)」と見開き型の2面液晶を搭載した松下の「ΣBook (シグマブック)」だ。

 両機種は文字通り読書専用の端末で、メモリーカード(リブリエは内蔵メモリーもある)に記録した書籍データを画面に表示する非常にシンプルなもの。記録してある書籍データは最初に本棚形式で表示されるので、そこから読みたい本を選び、あとはページを送っていけばいい。同様のことはパソコンやPDAでもできるが、両機種はもっと読書しやすい作りになっている点が違う。共にモノクロながらリブリエが約190g、シグマブックが約520gとノートパソコンよりずっと軽い上、乾電池で長時間利用できるように工夫している点が特徴だ。

 この2機種は、あらゆる面でコンセプトに違いがあり、対照的なモデルになっている。松下が画面を2枚搭載して見開きの本に近いスタイルにしているのに対して、ソニーは1枚だけ。外部メモリーも松下がSDメモリーカードなのに対し、ソニーがメモリースティック、キーボードも松下は非搭載だがソニーは標準装備する。端末の販売ルートも、松下は紀伊国屋書店などの書店とWebサイトで販売するのに対して、ソニーはパソコンなどと同様に電器店が中心になる。

●リブリエとシグマブックの本体サイズや画面を比較してみた
大きさを比較してみた。一番上がリブリエ、その下が閉じた状態のシグマブック。シグマブックの方がひと回り大きい





両機種の厚さを比較してみた。上がリブリエ、下がシグマブック。液晶を2枚搭載しているだけあって、シグマブックはリブリエの倍近くある

シグマブックが青白表示なのに対して、リブリエは新聞紙に近い白黒表示。見やすさの点ではリブリエに軍配が上がる

画面の見やすさはリブリエ

 次に、機能を詳しく比較していこう。一番の違いは表示装置にある。松下が青白表示の液晶(記憶型液晶)なのに対し、ソニーは白黒表示の電子ペーパーという全く異なる装置になっている。

 松下の記憶型液晶は書き換え時だけ電力を消費する特殊な液晶で、消費電力を大幅に低くできる。シグマブックの場合、液晶を2枚搭載しながら単3形乾電池2本で3カ月も利用できる。ただし、画面は青白表示なので、あまり見やすくはない。

 リブリエに搭載した電子ペーパーは、液晶などと同じ薄型ディスプレイ技術の一つで、文字通り「紙」に近い表示を実現できるもの。こちらも書き換え時以外はほとんど電力を消費しないため、長時間利用が可能だ。リブリエの場合は単4形乾電池4本で約1万ページを閲読できる。画面を実際に見てみると、真っ白の紙というよりは新聞紙に近い感じ。くっきりと表示され読みやすい。1ページ当たりの表示速度はシグマブックと同程度だが、リブリエは画面が1枚だけなせいもあって速く感じる。 

 操作性でも両機種は大きく違っている。シグマブックは画面の下に4つのボタンがあるだけで、ページ送り/戻りは両端のボタンを使う。このため基本的に両手で持って読むことになる。また、ボタンには説明書きがないので分かりにくい。画面下端にボタンの説明を表示できるとはいえ、かなり不親切な作りだ。

 リブリエは、キーボードやジョグダイヤルを装備しており、各ボタンにはちゃんと説明書きが付いている。機能も豊富で、文字を5段階で拡大表示させたり、内蔵辞書で分からない語句を引いたりできる。スピーカーも内蔵しているので、音声付きの書籍なら音声で読み上げてくれる。

●ソニーのリブリエ
マシン左上にメモリースティックスロットを備える。内部メモリーも10MB搭載している キーボードも装備する。その下には、ジョグダイヤルや次ページ/前ページへの移動、本棚や辞書を起動するボタンもある

文字は最大200%まで5段階で拡大できる。写真は200%時。「文字サイズ」ボタンを押すと、1段階大きくなる リブリエは「カタカナ新語辞典」「マイペディア JOY」「現代新語情報辞典」「パーソナル現代国語辞典」の4冊の辞書を内蔵

●松下のシグマブック
SDカードスロットを装備。書籍データはパソコンにダウンロードした後SDカードに書き込み、シグマブックに持ち込む 本の選択やページめくりなどは下のボタンで行う。画面左端のボタンを押すと、ボタンの説明が表示される。キーに直接説明書きがないので分かりにくい

片や売り切り、片やレンタル

 書籍の提供形態も大きく違う。松下は売り切りなので一度購入したらずっと手元に残るが、ソニーはレンタルなので、2カ月たったら読めなくなる。

 リブリエで読める書籍は、BBeB形式という独自形式で、「Timebook Town」(http://www.timebooktown.jp/)というWebページで入手できる。ダウンロードした書籍を読めるのは事前に登録したリブリエかパソコンの計4台までで、一度パソコンにダウンロードした後、USBケーブルかメモリースティック経由でリブリエに取り込む。

 シグマブックで閲読できるのは、シグマブックの独自形式かebi.j形式で、それぞれ「ΣBook サイト」(http://www.sigmabook.jp/)か「10DaysBook」(http://bb.10daysbook.com/shop/)で購入できる。パソコンでダウンロードして、SDカードに書き込んでシグマブックに持ち込む。ただし、著作権保護機能に対応したカードリーダーを使う必要があるので注意したい。

 Webページからいつでもどこでも書籍を入手できるのは、読書家には大きな魅力。これは、一般の書籍にはないメリットだ。特に、長期の旅行では、たくさんの書籍を持ち運ぶのが面倒なだけに、大きな威力を発揮するはずだ。

 ただ、価格は両機種とも4万円前後と、まだ割高感があるのも否めない。多くのユーザーにとって「書店で売っている本を読むためだけに、4万円も払いたくない」というのが本音だろう。一般ユーザーに訴求するには、全文検索や通信機能の付加など、“デジタル”ならではの魅力をもっと貪欲に取り込む必要がありそうだ。

(小野口 哲)

●リブリエとシグマブックの主な仕様
リブリエ シグマブック
6インチ電子ペーパー×1枚(800×600ドット、4階調) 表示装置 7.2インチ記憶型液晶×2枚(1024×768ドット、16階調)
メモリースティック 外部メモリー SDメモリーカード
10MB 内蔵メモリー なし
あり キーボード なし
1万ページ 電池駆動時間 3カ月*1
単4形電池×4 電池 単3形電池×2
190g 重さ(本体のみ) 520g
電器店 販売店 書店、ネット販売
5段階 文字の拡大表示 なし
あり*2 音声読み上げ なし
なし*3 検索機能 なし
国語、新語など4冊 辞書機能 なし
レンタル(2カ月) 書籍の提供形態 買い取り
*1 1日80ページ読んだ場合  *2 音声付きの書籍データの場合  *3  辞書の検索は可能