ソニー

ウォークマンSシリーズ NW-S703F P(ピンク)

実売価格:1万7800円

発売日:2006年10月21日


このモデルの注目ポイント ライバル機種はズバリこれ!
・ノイズキャンセリングイヤホンと一体設計
・新接続コネクター「WM-PORT」による拡張性
・カラー液晶によるジャケットサーチ
・松下電器産業 「SV-SD800N

 ここのところ国内ではノイズキャンセル(以下、NC)ヘッドホンに注目が集まっており、各メーカーから様々な製品が相次いで発表されている。その流れはヘッドホン単体に留まらず、携帯音楽プレーヤー本体にも及んできており、NCイヤホンをセットにした松下電器産業の携帯音楽プレーヤー「SV-SD800N」に次いで、ソニーもまた同様の製品を繰り出してきた。

 新しいウォークマン「S700F」シリーズは、集音マイクを埋め込んだ専用NCイヤホンと、NCコントローラー内蔵のプレーヤーで成り立つ「NC携帯音楽プレーヤー」とでも言うべきものだ。携帯音楽プレーヤーにセットされるイヤホンと言えば、普通はオマケのようなものだが、このプレーヤーはイヤホンが主役なのだ。

 さらに今回の注目点は、メーカー自ら「目指したのは史上最も高音質なウォークマン」と豪語しているところだ。オーディオ製品の最も重要な性能でありながら、これまで携帯音楽プレーヤーメーカーの多くは音質について無関心であり、自らアピールすることは稀(まれ)であった。これはソニーの意気込みを示す、強いメッセージと言えるだろう。

ハウジング外部にノイズ集音マイクが組み込まれたイヤホンが付属。単体ではNC効果はなく、NW-S700Fシリーズと接続して初めてNC効果を生む プレーヤーとイヤホンは特殊な5極接点のミニプラグで接続する

カラーバリエーションは写真右からゴールド、ピンク、ブラック、バイオレットの4色。いずれも着色部はハーフミラーの樹脂製


高音質な非圧縮/可逆圧ファイルの再生に対応

 まずプレーヤーの機能からおさらいしていこう。実はNC以外にもいくつもの新機軸があり、機能的にも非常に充実したものとなっている。

 NW-S700Fのシリーズバリエーションはメモリー容量とカラーの違いのみ。容量は1G/2G/4GBの3種類で、1GBが「NW-S703F」、2GBが「NW-S705F」、4GBが「NW-S706F」。ソニースタイル限定モデルとして、一般市場向けにはないエボニーブラウンの「NW-S706F/T」(4GB)もある。

 プレーヤーの格としては、転送ソフトの不出来に泣いた「NW-A600」シリーズを置き換えるものと考えていい。いずれもFMチューナー内蔵で、ウォークマンAシリーズの「アーティストリンクシャッフル」「よく聞くシャッフル」「タイムマシンシャッフル」などの各種インテリジェント選曲機能も今回のNW-S700Fシリーズに引き継がれている。フラッシュメモリー内蔵型の現行ウォークマンとしては、フルスペックのトップレンジモデルということになる。

 操作系はおなじみのジョグシャトルだが、ストローク量は3段から2段へと減り、従来は3段目が受け持っていたホールド機能は、独立したスイッチとして背面に設定された。メタルパーツでボディー全周が覆われていることから、視覚的な重量感は増しているが実際には大差なく、NW-A600シリーズの48gに対して1g軽い47gとなっている。3分チャージで3時間再生、2時間のフルチャージで50時間再生というバッテリー性能も変わらない。

 今回から高音質な可逆圧縮形式のATRAC Advanced Losslessと、非圧縮のリニアPCM(WAV)の再生にも対応した。史上最も高音質なウォークマンを標榜するには、まずソースの高音質化からということだろうか。

本体前面はハーフミラーのアクリルカバーで覆われる。再生停止/音量ボタンも前面にある メニューボタンは右側面にある。右手で持つとちょうど親指の位置にくる

ホールドとモードスイッチは背面にある。右手で本体を持っている場合は、本体をくるっと裏返しにして親指で操作する


ジャケット選曲と「WM-PORT」、そして録音機能

 液晶は従来通りの3行表示有機ELだが、新たにカラー化されて再生中のジャケット表示が可能となった。この部分のハイライトは新設された「ジャケットサーチ」モードで、ジャケット画像を連続的にスクロール表示させながらアルバムの選曲ができる。この機能をこのサイズのプレーヤーに持ってきたのは画期的だ。表示解像度が低いために全体の色やデザインが確認できる程度だが、特徴的なジャケットであればテキストよりも識別は容易なはずだ。

 そのジャケット画像の取得も音楽管理ソフト「SonicStage CP」の最新バージョン4.1ではずいぶん楽になった。手動の貼り込みだけでなく、ジャケット画像のネット検索にも対応している。取り込んだジャケット画像は、そのまま音楽ファイルと同時にNW-S700Fシリーズへ転送される。

 転送用接続端子も一新され「WM-PORT」と呼ばれる22ピンコネクターになった。機能的にはアップルコンピュータの「iPod」シリーズでおなじみのドックコネクターにならったもので、これで各種周辺機器との接続が可能になる。WM-PORT対応のクレードルやスピーカー、Bluetoothオーディオトランスミッターなどのオプション品もNW-S700Fシリーズと同時に発表されている。また同社のHDD内蔵コンポ「NET JUKE」の新モデルとの接続にも利用する。

 このWM-PORTはオーディオ信号の入力ピンもあり、本体側にもダイレクトエンコーディングの機能が付いた。オプションの録音用ケーブルを使うことで、アナログステレオ音源の録音が可能になる。SonicStageを使うと録音したファイルの逆転送も可能で、音源が一般に流通しているCDなら、SonicStageを使ってCDDBから曲名など楽曲情報の取得もできる。

画像は荒いが同時に3枚表示するジャケットサーチの画面。ジョグシャトルを回すと結構なスピードで飛ばし見ができる

本体底部の接続端子は専用形状の「WM-PORT」に変更。付属のUSBケーブルによる転送/充電のほか、オーディオ信号の入/出力を行う

 以上、NC以外の新機能だけでも盛りだくさんだが、果たして音はどうなのか。このモデルの音質を決定するNCとイヤホンの性能をチェックしていこう。

NEXT肝心の音質をチェック!