IMEなどの日本語入力ソフトは、ユーザーが入力した文字列からできるだけ最適な変換結果を出すよう、さまざまな工夫がなされています。その1つが学習機能です。ユーザーがよく入力する単語を漢字変換候補の上位に表示されるようにしたり、ひらがなで入力された文字列を区切って変換する単位を、過去に確定された文字列の結果を参考に変更したり、といった具合に働きます。

 これらの学習機能によって変換効率が上がるのは間違いないのですが、実は落とし穴が1つあります。

 マイクロソフトのIME開発担当者によると、ユーザーが行うキー入力の、約2回に1回はBackSpace(以下BS)キーを押しているのだそうです。このBSキーで削除されたものの3分の1は入力のミス、すなわちミスタイピング、同じく3分の1は誤変換結果を確定してしまったものだったとのことです。

 日本語入力ソフトは、ユーザーが入力して確定した結果を学習します。ユーザーが、常に自分が意図した正しい変換結果だけを確定していればよいのですが、このように誤変換で確定されたものでもIMEは学習してしまいます。

 もちろん、誤変換はソフトウエアのバグや登録単語の不備でも発生しますが、前述の点を考慮すると、おかしな変換は誤った学習によって引き起こされている可能性もあるといえるでしょう。

 時間がたつにつれて、おかしな変換が繰り返されるようになったなら、一度、IMEが蓄積した学習結果をリセットするのも手です。

 IMEの学習結果はユーザー辞書と呼ばれるファイルに記録されています。ユーザー辞書ファイルの保管場所やファイル名は、IMEの「プロパティ」の「辞書/学習」タブで確認できます。IME 2000以降では、このタブにある「修復」ボタンを押すことで、学習内容をインストール直後の状態に戻せます(上図)。ユーザーが登録した単語や用例は、消去されませんので、試してみてください。

●IMEが学習した環境を消去する
タスクバーにあるIMEアイコンをクリックし、プロパティを選択。表示された画面で「辞書/学習」タブを選ぶ。IME 2000以降は、「修復」ボタンを押すだけで学習環境をリセットできる

 IMEのバグはOSやOfficeのサービスパックの中で修正が施されています。変換候補にない単語を自分で辞書に登録するのは、快適な変換結果を得るために欠かせない作業です。また、マイクロソフトは、使用しているIMEが用意している辞書には登録されていないが、ぜひ、加えてほしいという語を募集しています。IME 2003のみの機能ですが自分が単語や用例を登録する際、「登録と同時に単語情報を送信する」というチェックボックスにチェックをつけるとマイクロソフトに送信されます(下図)。これらの語はIMEの次バージョンの辞書整備の参考にされるそうです。IME 2003ユーザー向けには3カ月に1度、こういったフィードバック情報や新しい地名や駅名などを反映した最新辞書を無料でダウンロードできるサービスを提供しています。

●誤変換の報告はツールから
IME 2003使用中に誤変換が出たら、ツールメニューを開き、「誤変換報告」を選ぶ インターネットにつながっている状態ならそのまま報告を送ることができる