HDDは、CPUと並んで発熱が大きい機器です。もちろんメーカーではある程度の発熱を見越して設計・製造をしていますが、あまり高温な状態が続くと不具合や故障の原因となります。HDDが発する異音は、故障の前兆です。恐らくHDDを増設したことでパソコン内部の空気の流れが妨げられ、元のHDDの温度が上昇したのが原因ではないでしょうか。

 発熱によるHDDへの影響はさまざまですが、中でもダメージを受けやすいのが、ディスクを回転させるモーターの軸部分といわれています。ここに充填された潤滑油などは高温で化学変化を起こしやすく、劣化が進むとディスクの制御が困難になります。また、HDDの基板上にある半導体チップも、比較的熱に弱い部品です。

 HDDメーカー各社が、Webサイトに掲載する製品情報によれば、HDDの動作保証温度は一般にはおよそ0~55℃の範囲です。

 下の図を見てください。これは、あるHDD製品の温度と平均故障間隔(MTBF)の関係を示した表です。MTBFとは、ある製品が故障してから次の故障が発生するまでの平均稼働時間を表し、この時間が長いほど故障しにくいことになります。図のHDDは、保証範囲内でも高温になるほどMTBFが低下しています。

●HDD動作時の温度が上がると故障する可能性が高まる
あるHDD製品の動作時の温度と平均故障間隔(MTBF)の関係を示す表。MTBFとは、ある故障から回復してから次の故障が発生するまでの稼働時間の平均値。数字が大きいほど故障する可能性が低いといえる。メーカーが保証する温度内でも、HDD温度の高低によってMTBFが大きく変わることに注目

 動作中のHDDの温度は、「S.M.A.R.T.(Self-Monitoring Analysisand Reporting Technology)」という機能を使って調べることが可能です。S.M.A.R.T.とは、HDDの状態を監視する機能で、ここ2~3年の間に登場したパソコンの大半は、S.M.A.R.T.機能に対応しています。

 実際に動作中のHDDの温度を知るには、S.M.A.R.T.に準拠したHDD監視ソフトを使います。HDD監視ソフトは海外製品がほとんどですが、「HDDlife」(入手先はhttp://www.hddlife.com/)というフリーソフトだと日本語に対応しています。温度は棒グラフと数値で表示され、温度が高いと警告のメッセージを発します。このソフトでは、45℃未満を良好な状態としています。

あるHDD製品の動作時の温度と平均故障間隔(MTBF)の関係を示す表。MTBFとは、ある故障から回復してから次の故障が発生するまでの稼働時間の平均値。数字が大きいほど故障する可能性が低いといえる。メーカーが保証する温度内でも、HDD温度の高低によってMTBFが大きく変わることに注目

 グラフ上にはHDDのメーカーや型番が表示されるので、Webサイトなどで動作保証温度を調べてみましょう。もし、動作保証範囲よりも温度が高くなっていれば、何らかの異常が起こる危険性もあります。HDDに保存したデータのバックアップを作成し、パソコンメーカーに相談するとよいでしょう。