プリンターを利用するとき、1枚の印刷にいくらお金がかかっているのか、その目安は知っておきたいところ。メーカーは各製品の印刷コストを公表しているので、およその判断は付きます。では、どのようにして測定しているのでしょうか。

 ページプリンターの場合、「A4判像密度5%」の原稿を印刷してコストを測定しています。A4判像密度5%とは、面積比でA4用紙全体の5%にトナーが載っている原稿です。これを基準として利用するのは、一般にビジネス文書の場合、印刷後に用紙の上に載るトナーの粉を1カ所に集めるとA4判用紙の5%の面積に敷き詰められるからだ、とプリンターメーカーは説明しています。この像密度5%の原稿を何枚印刷できるかを測定し、「トナーカートリッジの価格÷印刷枚数」で1枚当たりの印刷コストを計算しています。

●ページプリンターの場合
ページプリンターの場合、「A4判像密度5%」の文書を使って印刷コストを測定している。一般のA4判のビジネス文書を想定すると、印刷に使うトナー(粉)の量は、面積比でA4判用紙の5%の上に載っている量と同等だという

 今の説明はブラックトナーのみのモノクロ印刷ですが、カラー印刷ではブラック(K)に加え、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)と全部で4色のトナーを使います。この場合、5%の4色分で像密度は20%で計算されます。

 この測定方法は各メーカーごとに大差はありません。このため、ページプリンターの場合は、各メーカーの印刷コストを単純に比較することが可能です。

 一方、インクジェットプリンターの場合は、各メーカーが独自に選択したチャートを使って印刷コストを測定しています。例として、セイコーエプソンとキヤノンの測定方法を紹介しましょう。

 両社ともA4判のカラー印刷コストについては、日本規格協会SCIDの「自転車」サンプルを使っています。しかし、L判用紙に写真画像を印刷する際のコストは、どちらも独自に複数枚の写真画像を用意してテストを行っています。L判のテストでは、使うインクの色が偏らないように複数の写真画像を連続印刷します(キヤノンは24枚、エプソンは20枚)。そして、各色ごとにインク切れになるまで画像を印刷し、「各インクカートリッジの価格÷印刷枚数」を全色合計してコストを出しています。

●インクジェットプリンターの場合
インクジェットプリンターの場合、A4判のカラー印刷コストでは、日本規格協会SCIDの「自転車」サンプルを印刷して計測することが多い。L判印刷コストは、メーカーが独自に複数枚の写真画像を用意して測定している

 つまり、L判の印刷コストは、そもそも印刷する写真画像が違うため単純比較はできません。加えてL判の場合、キヤノンはインク代だけのコストを、エプソンはインク代に用紙の価格を含めた印刷コストを公表しています。このため、インクジェットプリンターでは、メーカー間の印刷コストを比べられないのです。あくまでも同一メーカーの製品比較における参考値と考えましょう。