1980年代、アイドル全盛期におけるマンガ原作映画のマイナスイメージ

 マンガの実写映画化の歴史は古い。それこそ古くは1950年代の雪村いづみ主演の『あんみつ姫』や、江利チエミ主演の『サザエさん』シリーズなど、昔からさまざまな作品が映画化されてきた。しかしかつてはそれほど数は多くはなかった。理由は簡単。マンガは画がついている分、すでにキャラクターに“色”がついていたり、世界観ができあがっているため、映像化しずらいという観念があったからだ。

 実際、映画人気が最も華やかで映画雑誌が乱立した1980年代(まあこのころは洋画天国で邦画がダメと言われた時代でもある)なんぞは、マンガの実写化は本当に少ない。1980年代はアイドルの華やかなりし時代でもあり、アイドルたちを出演させるための作品、いわゆる青春映画を撮るための原作としてマンガは使われていた。例えば清水宏次朗・仲村トオル主演の『ビーバップ・ハイスクール』シリーズ(1985年~)を筆頭に、たのきんトリオで当時全盛を極めていた近藤真彦が主演した『ハイティーン・ブギ』(1982年)、小泉今日子が主演した『生徒諸君!』(1984年)、南野陽子主演の『スケバン刑事』(1987年)などがそうだ。

 当時はマンガの実写化というより、アイドル映画としての存在が重要視されており、逆にいえばマンガファンとしては観に行っても、アイドルたちのとても上手とはいえない演技や原作のイメージとはほど遠いビジュアルや世界観に肩を落として帰ってくるほうが正直多かった。マンガの映画化というだけでイメージが悪かった印象がある。