この記事は「日経トレンディ」2015年9月号(2015年8月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 クルマやバイクと歩行の“間”を埋める乗り物「パーソナルモビリティ」。よく知られているのは2002年に発売されたセグウェイで、販売台数は世界で約10万台に上る。日本でも2006年に本格販売がスタートして以降、「2000台以上の販売実績がある」(セグウェイジャパン)という。

 パーソナルモビリティは公道での走行が規制されているため、日常的な移動手段に育つには至っていない。だが、今後はこういった乗り物の活用シーンが広がる可能性がある。従来、パーソナルモビリティは茨城県つくば市や愛知県豊田市など限られた地域でのみ公道での実証実験が許可・実施されてきたが、7月に規制が緩和され、同様の実験が全国の公道で行えるようになったからだ。

 規制緩和といっても、「走行コースを届け出て道路使用許可を得たうえで当日は保安要員を配置」などの条件は残り、個人が自由に乗り回せるようにはならない。今回の規制緩和で特に期待されるのは、パーソナルモビリティによるシティガイドツアーの広がりだ。

 欧米では過去10年ほどで規制緩和が進んでおり、歩道などでセグウェイの走行が可能となっている地域が多い。オランダ・アムステルダムやフランス・パリ、スペイン・バルセロナなどでセグウェイに乗って観光するツアーが人気コンテンツに成長している。あまり体力を使わずに済み、徒歩に近い速度で観光地をゆったり回れるとあって「シティガイドツアー経験者の満足度は高く、その観光地への再訪意向が増す傾向がある」(セグウェイジャパン)。政府が観光立国への推進策を打ち出すなか、訪日外国人向けのシティガイドツアーに期待する声もある。

観光地の中をセグウェイで走る
ガイドツアーが続々登場?
実証実験可能な地域が拡大
ついに、全国の公道を走れる!
i2 SE 基本モデル●最高時速/約20km/時●航続可能距離/約38km●価格/約100万円●サイズ・重さ/幅63×高さ97×奥行き65cm・約47kg ●セグウェイの国内販売実績は2000台以上
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 これまでセグウェイのようなパーソナルモビリティによる公道走行は、国の構造改革特区として認定された茨城県つくば市などで実証実験として認められてきた。7月から規制が緩和されたことで、海外で人気のセグウェイによる観光ツアーが全国に広がる可能性がある。ただし公道走行のための条件は厳しめで、こうしたツアーがどこまで広がるかは未知数だ。
従来
構造改革特区認定を受けた茨城県つくば市などでのみ公道実証実験が可能
15年7月~
実証実験が全国で可能に。セグウェイで公道を走る観光ツアーが登場?
つくば市で実施された「セグウェイツアーin つくば」の様子
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海外ではセグウェイを使った観光ツアーが人気
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