本格イタリアン3品を20分で学べる秘密とは?

 レッスン当日、参加者がそろい、調理台の前に全員が集まる。参加者7人のうち3人が子連れだ。抱っこしたままレッスンを受ける母親もいれば、そばで遊ばせている母親もいる。自分の目の届くところにいるし、教室のスタッフも見守っているので安心なのだろう。この日の講師であるイタリア料理家のKEITA氏は、EATALKで100回以上講師を務めているベテランだという。

 まずは素材となるアメリカン・ポークの説明からスタート。今回はブロックのままオーブンでローストしたメイン料理と、完成品を使ったアレンジ料理2品を教わる。

 「時間がないのでパパッといきますよ!」と、最初から飛ばしていくKEITA氏。下味をつけた豚肉をタマネギやリンゴと一緒に低温オーブンへ入れる。通常は70分間焼いて20分間置くそうだが、ここではもちろんあらかじめ作っておいたものが登場する。一緒にローストした野菜をハンドミキサーにかけてソースにすればもう完成。ここまで約15分という早業だ。熱心にメモを取る人もいれば、スマホを片手にひたすら手元を録画する人もいる。

 テキパキと進めてはいるが流すわけではなく、重要なポイントは丁寧に説明してくれる。例えば、かたまり肉に塩をする場合は両端の側面にはつけないよう注意が必要、など。理由は薄切りにしたとき、端の部分が塩辛くなりすぎるから。スパイスは側面に付けてもOKなど、たしかに目の前で見ながらの説明だと分かりやすい。完成品を利用したアレンジ料理やサラダとパスタソースもあれよあれよという間に完成。最後はさすがに時間が足りなくなって駆け足だったが、それでも30分程度で料理が出そろった。

 そして、試食が始まるともう、次の回のグループの受け付けが始まった。ゆっくりくつろいで食べる、というわけにはいかなかったが、完成した料理のレベルの高さにびっくり。特にサラダはハチミツとバルサミコ酢、オリーブ油を使った甘めのドレッシングがローストした豚肉によく合っていて、周囲でも感嘆の声が上がっていた。肉の焼き加減も中がピンク色でジューシーだ。子連れで参加した主婦は「ソースは作るのが簡単なのにおいしいことに驚いた。絶対に家で作る!」と声を弾ませていた。そのほかの参加者も同様の反応が多かった。

 1時間で食事まで終えられる秘密は、講師のデモのみで参加者が実際に料理しないこと。ここが一般的な料理教室との違いだが、見るだけのレッスンで物足りなくはないのだろうか。

 参加者数人に聞いてみたところ、意外にも「料理は作り慣れているのでこれで十分」「子供がいるので見るだけのほうが気軽に参加できてありがたい」という声が多かった。プロが目の前で作った料理を実際に味わうとテンションが上がり、家で作るモチベーションに直結する。テレビの料理番組を見るのとは、そこが大きな違いなのだろう。

塩やローズマリーで風味付けした豚肉をタマネギやリンゴと一緒に低温120度のオーブンに入れる。一緒にローストした野菜をハンドミキサーにかけてソースにする
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パスタソースは肉を刻み、ローストにかけたソース、トマト缶、ケッパー、生クリーム、水少量を加えて弱火でさっと煮込み、ゆでたショートパスタにかける。仕上げに塩、ブラックペッパー、粉チーズで味を調えて完成
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参加者7人のうち3人が子連れで、抱っこしたままレッスンを受ける母親も
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スピーディーに進むレッスン。重要なポイントはスマホで撮影したり、動画を録画したりしている人も多い
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レッスンで習った料理「アメリカン・ポークの低温ロースト 野菜と林檎のソース添え」とアレンジ料理(サラダ)
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