「忙しくて睡眠時間不足、眠くて頭がスッキリしない」というビジネスパーソンは多いのではないだろうか? 一方で、「毎日きちんと睡眠をとっているのに日中に眠くなる」という人もいる。

 「現代人は“睡眠難民”が多い。睡眠時間が短すぎたり、睡眠の質が良くないと脳と体の働きが悪くなって仕事などのパフォーマンスが落ちます。ミスや事故の増加にもつながり、さらには生活習慣病にかかりやすくなることが分かっています」と話すのは、睡眠障害に悩む多くの患者を治療し、病気予防のための睡眠法の指導と普及に努めている、雨晴クリニック(富山県高岡市)副院長で医学博士の坪田聡先生。睡眠難民にならない方法を坪田先生に聞いた。

 日本人は他国に比べて働き過ぎで睡眠時間が短いという調査結果がある。2014年にOECD(経済協力開発機構)が加盟国26カ国の15~64歳男性の1日の平均労働時間(休日を含む)を調査したデータによると、加盟国の1日あたりの平均労働時間が263分(約4時間23分)なのに対して、日本人男性の平均は375分(約6時間15分)。2時間近くも世界の平均より長く働いていることが分かった。

 同じ調査によると、OECD加盟国の平均睡眠時間は女性が8時間24分、男性が8時間15分なのに、それに対して日本人の平均睡眠時間は女性が7時間36分、男性が7時間41分。ノルウェーに次いで睡眠時間が短い。

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 「日本では睡眠時間を削りながら働いているビジネスパーソンが多いのかもしれません。しかしそれではストレスもたまり、日中は眠気に襲われて仕事で高いパフォーマンスを発揮するのも難しくなります。仕事の効率を上げるには、短い睡眠時間でも疲労をとり、頭をスッキリさせることが必要となってきます。それは睡眠の質を上げることです」(坪田副院長)

 睡眠不足を補い、睡眠の質を上げるために現代人にマッチした方法のひとつが仮眠(ナップ)だ。人は体内時計のリズムによって眠気のピークが1日に2回やって来るという。「体内時計のリズムで睡眠や覚醒、体温、血圧、ホルモンの分泌量、免疫などがコントロールされています。午前2時から4時までに最も強い眠気が訪れ、午後2時から4時までに2番目に強い眠気が現れます。睡眠不足がたまってくると眠気がさらに強くなります。睡眠時間が足りない現代人は夜の睡眠以外に仮眠を取ってこそ、体内環境が健康に保たれるのです」(坪田副院長)