「2019年に日本女性の半数が50歳以上に」(国立社会保障・人口問題研究所調べ)――。そこで活気づいているのが、シニア女性向けビューティー市場。大手化粧品メーカーが最近こぞってシニア世代向けの新ブランドを立ち上げている。そんななか、それと同じくらい活発な動きを見せているのが、女性用ヘアウィッグ市場だ。

 薄毛というと男性ばかりがクローズアップされがちだが、女性も40代以降は薄毛の悩みが急増する。薄くなった頭頂部や広くなって地肌が目立つ分け目部分などをカバーする女性用部分ウィッグに対する関心は高いものの、これまでは安くても3万円台で、気軽には買えない商品だった。

 ところが2014年ごろから、部分用ヘアウィッグに価格破壊が起こっている。大手通販ブランド、セシール(ディノス・セシール)は2014年7月から「人毛100%地肌付きこだわりウィッグ」シリーズを発売。つむじ用のヘアピースを税込み3580円から5378円という、これまでよりひと桁低い激安価格で販売を始めた。続いてベルメゾン(千趣会)も2014年12月より、「コーム付き簡単取り付けウィッグ」を3980円で販売を始めた。

 さらに2015年に入り、小林製薬がヘアウィッグ市場に参入。2015年2月19日に「ヘアラ 髪ふっくらウィッグ」(4980円)の販売を開始したのだ。これまで専門店での対面販売や通販でしか買えなかったヘアウィッグをスーパーやドラッグストアで買えるようになり、心理的なハードルはさらに下がった。

 小林製薬といえば、医薬品のほか「熱さまシート」などの衛生雑貨、「消臭元」などの芳香消臭製品(関連記事「小林製薬が高級路線!? “おしゃれすぎる芳香剤”を作ったワケ」)のイメージが強い。その小林製薬が突然、ヘアウィッグ市場になぜ参入したのか。またなぜ今、女性用ヘアウィッグにこうした価格破壊が起こっているのか。

小林製薬の「ヘアラ 髪ふっくらウィッグ」(4980円)。写真の店頭用什器は実物を手に取り、着けた状態を鏡で確認できるようになっている
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「ヘアラ 髪ふっくらウィッグ」の装着例。左が装着前、右が装着後
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