【選び方-2】音質に影響する「コーデック」は重要だが……

 それでは、Bluetoothスピーカーを選ぶときに注目すると良いポイントをいくつか挙げていこう。

 まずは、目に付くのがBluetoothの「バージョン」と、そのすぐ近くに書かれている「プロファイル」といった項目だ。

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 それぞれが表す内容は以下の通り。

Bluetoothの「バージョン」と特徴まとめ
2.1 ペアリングを簡易化。Bluetoothを高速化するEDRに対応
3.0 データ転送を最大24Mbpsに。高速化と省電力化も実現
4.0 通信速度が1Mbpsに落ちる代わりに省電力の「BLE」に対応

Bluetoothの「プロファイル」と特徴まとめ
A2DP Bluetoothでスピーカーとして高音質に音楽を鳴らす形式
HSP ヘッドセット通信向けのプロファイル。マイクとモノラル音声に対応
HFP ヘッドセット通信向け。HSPの機能のほかに通話発信にも対応

 以上を要約すると、Bluetoothのバージョンは転送速度と省エネ、プロファイルはA2DP以外はハンズフリー通話に関係する。ただし、Bluetoothはバージョンを超えた互換性があるので、どの製品を選んでもスマホやタブレットに接続できる。

 一方、製品を選ぶ際に重要な音質に関わる要素は、スペック表には記載されないことも多い「対応コーデック」(ファイルの圧縮・伸長を行う形式)だ。現在用いられるBluetoothのコーデックは4種類ある。

「コーデック」の特徴まとめ
SBC  高圧縮で音質はいまひとつ。必須コーデックなので、すべての機種が対応している
AAC  iTunesなどと同じ圧縮方式による高音質タイプ。iPhoneでも対応
apt-X  英CSR社の技術。CD音源の原音に近い音質で転送できる
LDAC  ソニーが2015年に開発した新方式。96kHz/24bitのハイレゾ音源にも対応

 対応コーデックは、再生するBluetoothスピーカー側に加えて、音楽を送り出す側のスマートフォンやタブレットも同じコーデックも対応していなければ、その効果は発揮できない。

 例えばアップルのiPhoneが対応するBluetoothコーデックは「SBC」と「AAC」で、現状、apt-XやLDACには対応していない。apt-Xの対応機器はこのページで公開されているが、サムスンのGALAXYシリーズや富士通、シャープなどAndroidスマホに対応機種が多い。LDACはソニーが今年2月に発表したばかりで、対応機種は同社のウォークマンや最新のXperiaのみだ。

 困ったことに、Bluetoothスピーカー側には対応コーデックが記載されていないことが多々あるが、その場合はまず「SBC」のみ対応と考えて間違いない。SBCは音質はいまひとつだが、Bluetoothスピーカーには必ず搭載されるコーデック。「購入した機器で音が鳴らない」という可能性はゼロなので安心してほしい。

 こうして見ると「AAC」や「apt-X」を対応した製品の中から選ぶのがベストということになるが、実を言うと、良い製品を選ぶ上では、そのスペックだけに固執しないほうがいい。なぜなら、Bluetoothで伝送しているデジタル音声の品質は圧倒的にAACやapt-Xのほうが優れていても、実際に音を鳴らすアンプ・スピーカー部が良くないと結局はその音の良さも活かせないためだ。

 例えば、apt-Xコーデック対応のエレコム「LBT-SPP300AV」(実売3000円台)と、SBCのみ対応のBOSE「SoundLink mini」(実売価格2万円弱)を実際に聴き比べると、やはり「SoundLink mini」のほうが圧倒的に音が良く聞こえる、といった具合だ。対応コーデックは「高音質のものに対応していればベター」くらいの心づもりで、製品選びの参考にしてほしい。