各自動車メーカーが自動運転技術の開発に取り組む中、2020年までに複数の車種に独自の自動運転機能を搭載することを目指す日産自動車が、開発中の自動運転技術を公開した。

自動運転の取り組みについて解説する日産自動車 IT&ITS開発部 エキスパートリーダー 二見 徹氏
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横ばい傾向の交通事故被害者を減らすには“ぶつからない技術”が必要

 自動運転に注目が集まる理由は、自動車には「エネルギー、環境、渋滞、交通事故」という4つの課題があるからだ。

 特に交通事故は、死亡および重傷者数が日本だけでも年間4000人強と、早急な解決が望まれている。もちろん、1970年代の交通戦争と言われていたころに比べれば、4分の1レベルに減ってはいる。これは自動車ボディーの安全性が向上し、エアバックなどの受動的な安全装置が普及し、シートベルトの装着が義務化され、さらに信号機などの道路インフラの充実などの効果と考えられるという。

 ただ近年、被害者数の低減が進まないのが問題で、車がぶつかってから対処する従来の衝突安全技術だけでは、これ以上の改善は難しい。事故の発生原因の93%が、ハンドルを握るドライバーにあるだけに、“クルマがぶつからない技術”を開発すべき段階に来ていると言える。

日産自動車が掲げる安全目標「VISION2020」は、2020年までに1995年比で、日産車の死亡・重傷者を4分の1まで減らすことを目標としている
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米国の1977年の事故要因分析結果。日本での同様の調査とほぼ合致するという
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