「Ingress(イングレス)」(写真1)は米Googleの社内ベンチャーNiantic Labs(ナイアンテックラボ)が2013年11月に提供を始めた位置情報を活用した無料のスマートフォンゲーム。既に全世界で800万ダウンロードを超えており、国内でも2014年7月のiOS版の提供開始以降、急速にプレイヤーを増やしている。同年12月13日に都内で開催した公式イベント「Darsana Tokyo(ダルサナ)」には約5000人ものプレイヤーが参加するほど人気が高まっている(関連記事:Ingressが公式イベント「Darsana」を東京で開催、過去最大約5000人の“エージェント”が集結)。

 Niantic Labsを率いるジョン・ハンケ(John Hanke)副社長にIngressの開発意図やゲームの設計について話を聞いた(聞き手は山田 剛良=日経NETWORK

米Googleの社内ベンチャーNiantic Labsを率いるジョン・ハンケ副社長
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―ハンケ副社長は今のGoogle Earthの元となったベンチャーKeyHole社の創業者です。Googleに合流した後もGEOグループの責任者としてGoogleマップやストリートビューのプロジェクトを率いて来ました。そんなあなたがなぜNiantic Labsを立ち上げたのですか?

 Niantic Labsを立ち上げたのは、モバイルコンピューティングの進化を促すためだ。スマホが普及し、Google Glassやスマートウオッチなどウエラブル・コンピュータも普及間近になってきた。こういった新しいデバイスの特性を生かし、モバイルやウエアラブルデバイスの普及を促進するキラーアプリを作る必要があると思ったんだ。

 スマホ向けのアプリは当初、パソコン用アプリを小さくしてスマホに載せたものがほとんどだった。ブラウザーとかメールとかね。しかし、そういうアプリでは新しい時代のデバイスの普及を引っ張るキラーアプリにはならない。やはりモバイル専用で、その特性を生かしたアプリである必要があるよね。

 モバイル/ウエラブルデバイスはいつでもどこでも持ち運び、ずっと身に付けて使う。だからその特性を生かすには、その人の周囲の物理的な存在と連携して機能するべきだろうと考えたんだ。

 それで最初に作ったのが「Field Trip」というアプリ(写真2)。これはバックグランドで動作し、その人が今いる場所の近くに「なにかステキな場所」があるとプッシュで案内してくれる。レストランとか公園とか映画館とかショッピングとか、そういう場所を教えてくれる。

写真1●Niantic Labsが提供する位置情報を利用したスマホゲーム「Ingress」
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写真2●Niantic Labsが最初に開発したモバイルアプリ「Field Trip」
位置情報と連動してユーザーの居場所の近くにある「ステキな場所」を案内する
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