2011年ごろから、ヒット商品の復刻版が続々と登場している。実はこの傾向、2014年に入ってからも衰えていない。なぜ、ブームは続いているのだろうか? その背景にあるものは何か? 復刻ブームについて探るとともに、2014年に復刻した主な商品を紹介しよう。

懐かしさだけでなく信頼感や安心感を想起させる復刻版

日経BPヒット総合研究所 上席研究員 品田英雄氏
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 「21世紀に入ってから技術の進歩などもあり、新製品の開発サイクルがどんどん短くなっています。コンビニエンスストアでは毎月かなりの数の新製品が入ってきますが、生き残るのは1割ぐらいでしょう」と話すのは、日経BPヒット総合研究所、上席研究員の品田英雄氏。

 目まぐるしく商品が入れ替わる状況だからこそ、長く愛された定番商品の復刻版は懐かしさから手を伸ばしやすいという。企業のマーケティング戦略としても取り入れやすいのは言うまでもない。「長く愛されてきた商品は、懐かしさと同時に信頼感も与えてくれる。中期、長期的に消費者に愛されている商品だから安心感があるんですね」(品田氏)

 健康食品として浸透しているヨーグルトの先駆者的存在である明治ブルガリアヨーグルトも、2013年12月に40周年を迎え、2014年10月から発売当時のパッケージを復活させた。

 「現在までにパッケージデザインを24回変えています。テーマカラーは変わらず、長く愛されるブランドとなるために、いつの時代もその時代の“今の顔”であるべく、時代を捉えたデザインを採用してきました。今回、40周年を記念して、過去7回のデザインと現行のデザインをパッケージの裏表に採用したんです。懐かしい気持ちになって手にとっていただければうれしいですね」(明治 ヨーグルトマーケティング部 守屋孝氏)

 子どもの頃に親しんでいたデザインがまた店頭に現れたら「懐かしい!」と条件反射的に手にとってしまう。話題のタネにもなるからと財布の紐が緩むという人も多いだろう。

ついに車の復刻版まで登場! 若者は新製品として購入している?

 長く愛された定番商品だけが復刻版の対象というわけでない。例えば、今年ファンの間で話題となった復刻のひとつに、トヨタ自動車の「ランドクルーザー70」がある。「とても人気があってしばらく市場から消えていた商品が期間限定で再登場するパターンも増えています」(品田氏)

 復刻ブームを牽引しているのは、子育てが終わり暮らしに余裕がある団塊の世代、もしくは団塊ジュニアがメイン。「ランドクルーザー70は、発売当時、憧れていたけれど購入できなかったという人たちが多かった。そんな人も今やお金に余裕がある年代になっています」(品田氏)

 自動車のような高額商品ではなく、食品や書籍、ファッションなど身近なものの復刻版は、若者にも受け入れられているようだ。「レトロ感が新鮮なので、30~40年前のものは“カッコイイ”“オシャレ”と感じるようです」(品田氏)。例えば食品のパッケージでは、食品そのものの機能、味などは最新のものだけどパッケージだけレトロ感があるというのは、若者にとっては新製品のような感覚で受け止められているという。

 さまざまな商品の復刻版が登場した2014年。次ページから、復刻した主な商品を見ていこう。