“格安SIM”として注目を集める仮想移動体通信事業者(MVNO)のモバイル通信サービス。この秋、LTEによる高速通信ができる容量を従来の2倍以上に増量する事業者が増えている。「LTE使い放題」をうたう事業者まで登場するなど、格安SIMサービスが急に通信容量を増やしてきているのには、大きな狙いがあるようだ。

IIJが高速通信容量を倍増、他社も次々と追随

 近ごろサービスの充実が進み、注目度が高まっている格安SIMサービスだが、最近提供各社の戦略に、新しい変化をもたらす大きな出来事が起きている。それは、LTEによる高速通信ができるデータ通信容量が大幅に増えたということだ。

 格安SIMのサービスは従来、基本料金は確かに安価だが、高速通信できる容量が少なく設定されているものが多く、実際に使ってみると不便だという印象を抱く人も少なくなかった。だが9月から10月にかけて、格安SIMを提供する各社が、基本料金プランで利用できる高速通信容量を、突然従来の2倍以上に増加させるという発表が相次いだのだ。

 その口火を切ったのはインターネットイニシアティブ(IIJ)だ。IIJは10月1日より、NTTドコモの回線を用いた格安SIMサービスの内容を改定。基本料金プランに付属する、高速通信が可能になる「バンドルクーポン」の容量を増量し、最も安い「ミニマムスタートプラン」(音声通話機能込みで月額1600円、以下同様)では1GBから2GBへ、「ライトスタートプラン」(月額2220円)では2GBから4GBへ、そして「ファミリーシェアプラン」(月額3260円〜)に至っては3GBから7GBと、なんと2倍以上に増量しているのだ。

 このIIJの動きに、ライバルが次々と追随。その結果、多くの格安SIMの基本料金プランで利用できる高速通信容量は、従来の2倍、プランによっては2倍以上にまで増えたのである。ユーザーからして見れば価格は据え置きのままで通信容量が倍以上になるのだから、格安SIMのサービスが一層お得になったことは確かだろう。

IIJは10月より、高速通信可能なバンドルクーポンの容量を従来の倍以上に増量し、競争力を高めている
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