この記事は「日経トレンディ」2014年11月号(2014年10月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 アミノ酸の一種であるGABA(ギャバ)を100gあたり280mg含有した「メンタルバランスチョコレート GABA」は2015年に発売10周年を迎える。これまでどう市場開拓してきたか、今後の戦略とともに探った。

「メンタルバランスチョコレート GABA〈ビター〉」スタンドパウチ(右)と「メンタルバランスチョコレート GABA〈ミルク〉」スタンドパウチ(左)。デスクなどにも自立して置きやすいパッケージ形状。付箋をイメージしたメッセージが店頭でも共感を呼びやすい
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「メンタルバランスチョコレート GABA〈ミルク〉板タイプ」(2013年9月発売)。主婦層の買い置きニーズにも対応した形態
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 最近はオフィスのデスクにチョコレートが置かれていても、違和感を感じる人は少ない。だが約10年前の2005年頃は、堂々と菓子類を持ち込める職場は珍しかった。そんな状況で、なぜ江崎グリコはビジネスパーソン向けのチョコレートの開発に乗り出したのだろうか。

 「景況感が上向かず、非常に閉塞感があり、どうモチベーションをキープするかということが話題になった時代でした」とマーケティング本部チョコレートマーケティング部部長の小林正典氏は当時を振り返る。

 「チョコレートを食べてほっとした経験はありませんか。私達はチョコレートの原料カカオに含まれるアミノ酸の一種GABA(ギャバ)に注目しました。これを研究すれば、ビジネスパーソンの気分転換やリフレッシュなどに役立てるかもしれない、と思ったのが動機です」(小林氏)。

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 特徴的なアミノ酸の名前をそのまま商品名の一部に採用した「メンタルバランスチョコレート GABA(ギャバ)」は、その利用シーンとして当初からビジネスシーンを想定。容器には、デスクに置きやすいようアルミ缶と、携帯にも便利なリクローズチャック付きパウチを採用した。またパソコン作業中にも気軽に手に取れるように、指先が汚れにくいコーティングも一粒一粒に施した。

 「ストレス社会で闘うビジネスパーソンを応援するためのチョコレートというコンセプトを明確に伝えるため、パッケージ形態や粒の大きさ、味わいなどは発売当初から現在まで、ほぼ一貫させています」(小林氏)。

■栄養成分表示
江崎グリコ調べ
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日々頑張るビジネスパーソンに向けて開発
マーケティング本部 商品開発研究所 油井孝規氏
 GABAは、γ-アミノ酪酸(Gamma AminoButyric Acid)の略。キムチが醗酵した時に副生産物として作られるほか、玄米などにも含まれていて、昔から人々がよく摂取していた成分です。

 GABAは、チョコレートの原料であるカカオにも含まれていますが、その働きをより高めるために、チョコレート100gあたり約280mgのGABA成分を配合して誕生したのが、「メンタルバランスチョコレート GABA」なのです。

 購入者データでも、会社員・自営業の方々の比率が高いことが分かります。
■GABAとは?
GABAは動植物の体内に広く存在し、カカオにも含まれる、天然のアミノ酸の1つ。動物の体内では、同じく天然のアミノ酸であるグルタミン酸から、グルタミン酸脱炭酸酵素により生成される
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GABAはカカオにも含まれる
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「オフィスグリコ」のチョコレート分野の中では「GABA」の人気が高いという
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■ビジネスパーソンに支持されるGABA
出典:株式会社インテージ SCI、チョコレート市場:2013年4月~2014年3月。購入者構成比
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