前回は、米国、ポートランドで注目されている新業態「B&B」を紹介した。今回は、サードウェーブコーヒーの本場でもあるポートランドのもう一つの顔に迫る。

 アメリカンと呼ばれる浅く焙煎したコーヒー豆を使うことが主流であったコーヒーに対し、70年代以降、濃い目のエスプレッソをベースにミルクなどでアレンジした米国シアトル系カフェが台頭。その流れはセカンドウェーブと呼ばれ、長らくコーヒー市場を席巻してきた。代表格であるスターバックス・コーヒーは、家と会社の間にある寛ぎの場「サードプレイス」としての市民権を獲得し、また歩きながら飲むスタイルも確立。今では世界60カ国、1万8000店以上を構える。

ポートランドで異彩を放つ「第3の波」

 ここ最近、日本でも耳にする機会が多くなってきたのが、「サードウェーブコーヒー」だ。シアトル系に続く第3の波という意味だが、大規模なチェーン店ではなく、ローカルで個性的な味や環境、思想で提供する新しいコーヒーショップを指す。米オレゴン州ポートランドでは、このサードウェーブコーヒーが世界に先駆けて開花し、大きくマーケットやライフスタイルを変えている。そんな最先端のトレンドと次のステージを予感させる動向をレポートする。

 全米で「きちんとした食生活で健康に暮らせる街」「知的労働者に最も人気のある都市」といったランキングでも上位にあげられるポートランド。人々の朝は早く、散歩やランニング、朝食専門レストランでくつろぐポートランダーの姿が随所で見られる。

 カフェの第1のピークはなんと6時30分から8時30分の間。人々は、それぞれひいきのバリスタがいるカフェでコーヒーを飲んだりテイクアウトしてオフィスに向かったりするなど、コーヒーは習慣化している。

 そんなポートランドで脚光を浴びているサードウェーブコーヒーの先駆者が、「スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ(以下、スタンプタウン)」。99年、ダウンタウンから外れたデビジョン・ストリートに1号店を開業し、現在はポートランドに5店、シアトルに2店、ロサンゼルスに1店、ニューヨークにも2店を構える。

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スタンプタウン・コーヒー・ロースターズの店舗外観と内観
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