2014年春、これまで20年近く無風状態だった冷凍焼きおにぎり市場が、突如として活気付いている。

 その口火を切ったのが、今年3月に発売されたニチレイフーズの「本格焼おにぎり」。同社によると、この商品のヒットで2014年4~6月期の「冷凍調理 おにぎり類(いなりずし、ライスバーガー含む)」市場全体の売り上げが約150億円と、前年同期の約1.5倍になったという。

 開発を指揮したのは、同社のヒット商品「本格炒め炒飯」を生み出したニチレイフーズ家庭用事業部の篠原利和部長。「この10年、冷凍食品には大ヒット商品がなかった。そこで焼きおにぎりに目をつけた」

ニチレイフーズ「本格焼おにぎり」(6個入、480g)
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「ジャンル拡大」から「原点回帰」へ

ニチレイフーズ 家庭用事業部長 篠原利和氏
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 家庭用冷凍食品は電子レンジの普及や製造技術の向上などにより、1990年代前半に市場が拡大。空揚げやコロッケなどの弁当用総菜をはじめ、2000年代前半からはギョーザやシュウマイなど夕飯のおかずにもなる商品も次々に登場し、各社は商品ジャンルや味のバリエーションを増やして売り上げの拡大を図った。

 ただ冷凍食品の主な消費層である小学生から高校生の人口は頭打ちで、これ以上のマーケット拡大は望めない。そこで、篠原部長は既存の商品をもっとおいしくすることで売り上げをアップしようと考えた。

 「焼きおにぎりにはもっとおいしくなる伸びしろがあると感じた。マーケティングは二の次にして、とにかくおいしいものを作る。そうすれば、味が分かる本物志向の人が買ってくれると思った」(篠原部長)