千葉県浦安市が、アップルのiPadを用いた防災訓練を実施。Twitterを利用しての情報伝達や地図ソフトでの現在地参照など、さまざまなシーンで力を発揮した
[画像のクリックで拡大表示]

 9月1日の「防災の日」がやってきた。今年は、広島市で発生した大規模な土砂崩れをはじめ、豪雨による浸水被害などの災害が各地で相次いでおり、防災に対する意識が特に高まった1年となっている。

 近年でもっとも大きな被害を出した災害といえば、2011年に発生した東日本大震災を忘れることはできない。岩手県や宮城県、福島県をはじめとする東北地方が甚大な被害を受けたが、関東地方でも千葉県浦安市が液状化現象により住宅や工場、道路などが影響を受けた。東北から遠く離れた浦安で被害が出たことは、大きな驚きを持って受け止められた。

 その浦安市が8月5日、市内の中学生27名を集めて、アップルのiPadを用いた防災訓練「すごい災害対応訓練」を実施した。なぜ幼さが残る中学2年生を対象としたのか、なぜiPadが用いられたのか、浦安市の狙いを取材した。

災害発生直後の初動活動を担う存在として期待される地元の中学2年生

 訓練に参加したのは、浦安市内の市立中学校に通う中学2年生。9校から3名ずつが選ばれ、計27名が参加した。いずれも、各校長の推薦を受け、学校を代表して参加することになった生徒ばかりだ。訓練では、4~5人に分かれて1つのチームを作り、行動することとなる。

訓練に参加した27名の中学2年生。市内の市立中学校から推薦を受けて参加した優秀な生徒ばかりだ
[画像のクリックで拡大表示]
訓練では、4~5人のチームごとに2台のiPad Airを配布。Twitterや地図アプリを中心に利用した
[画像のクリックで拡大表示]

 中学2年生を対象とした理由として、浦安市の担当者は「災害が発生した直後、地域の即戦力として初動活動するのに適任だから」と語る。ベッドタウンとして栄える浦安市は、平日の日中は働き盛りの大人が極端に少なくなるため、交通機関がマヒしてしまえば災害発生直後に地域で活動することが難しい。市内の学校に通っている中学生ならば、学校や自宅の周辺で迅速な初動対応をすることが期待できるわけだ。中学2年生ならば十分な体力や判断力があるうえ、日ごろの活動範囲も広くなって地域周辺の状況を理解するようになっていることも、対象とした理由として挙げた。