“アイドル映画”と呼ばれるカテゴリーは昔からあるが、そのあり方は時代によって変化してきている。ここでは女優としての一歩を踏み出したアイドルに注目し、アイドル映画を前後編で紹介する。

 “アイドル映画”とひと言でいっても、内容は千差万別だ。ビートルズ初の主演映画『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』(1964年)は「アイドル映画の走り」だとも言われるが、果たして今の若い世代があれをアイドル映画だと思うかというと、そうではないだろう。

 日本でアイドル主演の映画といえば、ピンク・レディー主演の『ピンク・レディーの活動大写真』(1978年)や、おニャン子クラブ主演の『おニャン子ザ・ムービー 危機イッパツ!』(1986年)があった。

 一方でアイドルが“演じる”映画も1980年代には多数作られている。代表的なのが松田聖子主演作品。『野菊の墓』(1981年)で映画デビューして以降、『プルメリアの伝説』(1983年)、『夏服のイヴ』(1984年)、『カリブ・愛のシンフォニー』(1985年)と立て続けに世に送り出された。

 また“角川3人娘”と呼ばれた薬師丸ひろ子、原田知世、渡辺典子の存在も忘れられない。『野性の証明』(1978年)で映画デビューした薬師丸は『セーラー服と機関銃』(81年)の大ヒットで一躍人気スターに躍り出たし、テレビドラマ版『セーラー服と機関銃』(1982年)で女優デビューした原田は、映画デビュー作にして大ヒットした『時をかける少女』(1983年)で主題歌も歌い、スターへの階段を駆け上がった。2人に比べると、やや地味な印象がある渡辺は、映画『積木くずし』(1983年)で不良少女役のヒロインに抜てきされ、1984年には映画『晴れ、ときどき殺人』でも主演している。

 挙げればきりがないアイドル映画の歴史はまたの機会に記すとして、今回はこの10年の映画を中心に、「初ヌードを披露し話題となった映画」、「美女(アイドル)との相性抜群のホラー映画」を題材に、次のトレンドを作りそうな映画を前後編で紹介する。

 前編は初ヌード編。