食材がくっつきにくいフライパンといえば、少し前まではフッ素コートが定番だった。調理面に表面加工を施すことで滑りが良くなり調理や手入れが楽になるといううたい文句で、忙しい主婦を中心に支持を集めた。

 その後も大理石の粉を使ったマーブルコート、人工ダイヤを使ったダイヤモンドコートなど、新たなフライパンが続々登場したが、ここ数年で台頭してきたのが「セラミックコートフライパン」だ。調理面がセラミックらしい白色で仕上げられているものが多く、見た目のよさも相まって人気に火がついた。

 現在、国内外の各社がセラミックコートのフライパンを発売しているが、その中で売れ行きが好調なのが、京セラの「セラブリッドフライパン」だ。

使用したのは「セラブリッド フライパン 炒め鍋 28cm」。市場想定価格4298円。ほかに24cm、26cm、28cmのフライパン、卵焼き専用のフライパンがある
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 セラブリッドフライパンの特徴は、熱回りが良く、中火程度で十分な調理ができ、食材がくっつきにくく、耐久性が高いこと。2011年4月の発売開始から3年で100万枚以上出荷された。2014年5月23日には、従来品より約16.5%軽くなった「軽量タイプ」も発売。本格的な展開はこれからだが、小売店からの反響は上々だという。

 しかし、人気の一方でネット上では「すぐに変色する」、「焦げ付きが気になる」などの理由から、購入したもののあまり使わなくなったという声も上がっている。なかには「買わないほうがいい」など刺激的な意見まで見受けられる。フッ素加工フライパンと同様の使い勝手を求めて購入した人が多かったようだが、そもそもフッ素とセラミックはまったく素材が違うわけで、同じ使い方をして問題ないのだろうか。

セラミックのフライパン、まずは使ってみた

 使い勝手を検証するため、メーカーサイトの使用時の注意点(関連リンク)を参考にセラブリッドフライパンでカレーを作ってみた。

 カレーや肉じゃがなど、フライパンひとつで手軽に作れる料理は案外多く、時短料理として料理本などでも紹介されている。底が深い鍋より面積が広いフライパンのほうが火の通りが速いこともあるが、表面加工されたフライパンは滑りが良いので油を使わなくても肉が焼け「オイルカットできる」と健康面からも人気だ。

 しかしセラブリッドフライパンを使う際には、必ず少量の油を利用するよう、記載されている。

筆者は普段、フッ素加工フライパンを使用しており、肉料理の場合は肉の脂で野菜を炒めるので油を敷かないのだが、「セラブリッドフライパン」は必ず油を使う
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 さらに、火加減は中火以下で「炎の先がフライパンの底に触れるか触れないか程度の火力」(京セラサイトより)にしなければならない。これがなかなか難しい。野菜を炒めるにはある程度火加減を強くしたいが、中火だと炒めるというよりじっくりと油で煮る感覚になる。火が通った感覚がつかめず、結果的にいつもより調理に時間をかけてしまった。

 さらに、持ち手との接続部分にカレーの色が着色。サイトにある通り、研磨剤を使わないメラミンスポンジに水を含ませてこすったところ、すぐに着色はとれたが、なんだかいつも使っているフライパンよりも手間がかかる印象だ。もっと便利に使う方法はないのだろうか。

 京セラに聞いてみた。

着色部分。付いた瞬間は気になるが、こすれば落ちる
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