マンツーマンで実践主義。お金を稼げるネイリストを育てる

 男性専用ネイルスクールヴィジョンとはどういうところなのだろうか。

 ジェルネイルスクールナナミルクの一角を男性専用スペースとして運営しているという。職人ネイリストコースの場合、1日5時間の実践を計20回100時間、マンツーマンで鈴木氏が教えるという。費用は43万円。道具や用語の説明から入り、初日からハンドモデルを使って両手の施術を行っていく。「最初はメモを取ることで精いっぱい。だけど、初日から道具を手に持って使っていくことで、体で覚えることができ、上達も速い」(鈴木氏)。手の持ち方、支え方、両手を仕上げていく手順からコミュニケーションのとり方などのサロンワーク、独立開業を最終目標にしたノウハウまでを教えるという。その中で気をつけているのが、手の持ち方と支え方だそうだ。「どうしても集中すればするほどに力が入ってしまう。しかし男性が力任せのままに行っていると強すぎてしまうので力の配分は大切。私も家族をハンドモデルに、どの程度の力がいいのかを何度も繰り返して身につけてきた」(鈴木氏)

 生徒の1人、31歳の男性は、「人がやっていないことで手に職を持ちたかった」と、SEの仕事を辞めてスクールに入会。小さい頃はプラモデルなどの細かい作業が好きだったという。取材日は12回目の授業だというが、手の持ち方や支え方は違和感なく、丁寧に1本ずつ仕上げていた。「いきなり実践から入ることに戸惑いは?」との質問には、「反対に体で覚えられていい。ためらうことなく手を持って仕事ができるようになった」。ハンドモデルからの評価も上々だ。

初日から実践するヴィジョンの授業は最初は戸惑うこともあるが、すぐに道具の使い方を覚えるという
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予想以上の反応に! 将来は明るい

 男性専用ネイルスクールとして立ち上げると、面白い反応があったと鈴木氏は話す。「いくつかのネイルサロンから、卒業生を紹介してほしいとの連絡があった」。しかしまだスクールをはじめたばかりで卒業生はおろか、入会したばかりの男性しかいないため断った。「そうしたら、先のことでもいいので紹介してほしい」といわれたそうだ。理由を尋ねると、「後々、ネイルサロンの経営を任せる男性が欲しい。統括できるような男性がひとりサロンにいてくれると何かと心強い」と答えが返ってきたという。それまでは男性のネイリストの需要はどのくらいあるのか不安だったが、これで将来の展望が少し明るくなった。

男性専用とはいえ、ジェルネイルスクールナナミルクの一角を使用しているので、女性ネイリストのハンドモデルになることもあるらしい。練習でつくってもらったこのネイルは男性の友人に好評だそうだ
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 男性のネイルケアはやっていくのか?と質問を投げかけたら、「いや、男性は女性にケアしてもらいたいのが本音だと思う。やはり、女性客をメインターゲットにしていきたい」とのこと。まずは、男性ネイリスト職人として世に送り出し、社会的地位を確立したいという。その後の目標は、イケメンのネイリストだけのサロンが舞台となっている韓国のドラマ『ネイルサロン・パリス』のように、男性だけのサロンを立ち上げること。

 2014年1月にヴィジョンを立ち上げてまだ半年あまり。にもかかわらず、資料請求の問い合わせは、東京だけでなく、神奈川、千葉、栃木、群馬、愛知、岐阜からも来ているという。男性ネイリストがどのサロンでも活躍する時代はもうすぐそこまで来ているようだ。

男性専用のネイルスクール「Vision(ヴィジョン)」
職人ネイリストコース、独立開業コース、ネイルケアコース、ジェル検定セミナーがある。

(文/広瀬敬代)