写真家の三井公一氏によるシグマの高級コンパクトデジカメ「dp2 Quattro」の深掘りレビュー企画の第2弾。前回掲載した「常識を超えた画質とデザインのシグマ『dp2 Quattro』、達人はこう撮る」では、dp2 Quattroの使い勝手や画質、撮影スタイルについて語ってもらった。今回は、画質で定評のある各社の高級コンパクトデジカメを用意し、同一シーンでの撮り比べをしてみた。果たして画質にどれぐらいの違いがあるのだろうか?

 シグマの「SIGMA dp2 Quattro」の発売から2週間が経過した。すでに入手して素晴らしい写真を撮っているフォトグラファーもいると思う。昔からのシグマファンは「こんなに速くなったのか」とか「楽に撮れる!」と感激している人が多いと聞いている。斬新なボディーデザインに惹かれて初めてシグマユーザーになった人からは「精細感がとてつもない!」とか「思ったよりシグマは使いにくくない」などという感想も聞く。

シグマの「dp2 Quattro」。店頭実勢価格は9万8000円前後で、在庫は比較的潤沢だ
[画像のクリックで拡大表示]

 私も使い始めてからしばらく経つが、従来のシグマ機より本当に気軽に撮影ができるようになったという印象を持っている。ボディーはスリムかつワイドになって、両手で持ちやすくなった。また、縦位置も同様だ。これにより、スローシャッターでも手ブレの心配が減った。困ったのは、ユニークな形状なのでバッグへの収納が大変なことくらいであろうか。

 画質も色乗りが鮮やかになって、普通のデジタルカメラからシグマに入ってきた人でも、すんなりと受け入れてくれそうな描写である。シリーズのウリである解像感も向上した。光量がある日中の高層ビル群などの描写はとてつもないくらいの解像感で、Macのモニター前でびっくりしたほどである。液晶の見え方やバッテリー撮影枚数の向上など、ようやく普通のデジタルカメラにグンと近づいたかな、という印象だ。

 ただ、特定の条件下で起きる一部の描写や、RAW現像ソフト「SIGMA Photo Pro」の機能や使い勝手に問題がないわけではない。しかし、それはピクセル等倍でじっくりと見なければ分からない場合が多いし、シグマというメーカーはカメラのファームウエアやソフトウエアを地道にアップデートしていき、いつものように確実に対応してくれるはずだ。ここは大いに期待したいと思う。

 何といっても、このdp2 Quattroでは「気軽に使える」という大きなメリットを手に入れたわけなのだから、写真をバンバン撮って楽しみたいと思っているところだ。

 前回も書いたが、私はシグマの公式サイトで「シグブラ」という連載を持っているので、若干肩入れしすぎている傾向がある。そこはご容赦いただきたいと思う(笑)。

無数の招き猫が奉納されているお寺で。ノイズ感はあるものの、整っているので雰囲気がある(ISO400、1/320秒、F4.0)
[画像のクリックで拡大表示]
展示されている旧い車両のプレッシャーゲージ。使い込まれた年数が伝わってくるような描写だ(ISO400、1/125秒、F2.8、-0.7補正)
[画像のクリックで拡大表示]
Foveonのメタルやガラスの質感描写は素晴らしい。dp2 Quattroを手に入れたら、ぜひ撮ってみてほしい(ISO100、1/1000秒、F8.0)
[画像のクリックで拡大表示]
撮って出しのJPEGでも満足のいく写り。緑の葉や草、石畳と波のディテールにも注目してほしい(ISO400、1/250秒、F8.0、-0.3補正)
[画像のクリックで拡大表示]
以前だったら撮るのを諦めていたシーン。ノイズ感があるが、船のエッジ部分などのシャープさはいい感じである(ISO800、1/400秒、F2.8、-1補正)
[画像のクリックで拡大表示]