シャープペンシル業界を震撼させた三菱鉛筆の「クルトガ」

 “メール全盛時代”といわれて久しいが、昨今の美文字ブーム、文房具ブームで筆記具の販売高が伸びている。なかでも注目はシャープペンシル。社会人になってからはあまり使う機会がなくピンとこないかもしれないが、新機能を搭載した製品が、近年売れている。これまでより高価格のものが売れているのか、販売数は2009年から2013年までの5年で555万本以上減っているものの、販売金額は増加。2013年は前年から約6億円も伸ばしている。同時に低価格・高機能な、学生が使うような製品も数を伸ばしている。

 その起爆剤となったのは、2008年に三菱鉛筆が発売したシャープペンシル「クルトガ」(450円)だ。書くたびに芯が回転し、常にとがった状態をキープするという新機能が話題を呼び、年間20万本売れればヒット商品といわれるシャープペンシル市場で、2008年からの累計販売数が4000万本以上。このヒットで、シャープペンシルの“新機能”を追求する動きが活性化しているのだ。

シャープペンシルの販売本数と金額の推移。2009年から2013年の間に約11億円増、2013年だけでも6億円増となっている(経済産業省「生産動態統計」よりグラフ作成)※単位:100万円
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2014年はぺんてる「オレンズ」が台頭!

 シャープペンシルで2014年最大のヒット商品になりそうなのが、ぺんてる(東京都中央区)が2月12日に発売した「オレンズ」だ。これまでの一般的な極細芯(0.3mm)よりさらに細い0.2mm芯なのに折れにくいことや、シャープペンシルなのに“芯を出さずに書く”という新発想が注目され、年間販売目標20万本を3カ月で達成。同社では増産体制を整えているというが、現在品薄状態で、ネット通販では定価の2倍以上の価格で取引されているケースもあるほどだ。

 じつはプラチナ万年筆(東京都台東区)も2009年に、芯折れ強度を一般品の10倍(同社比)アップした「オ・レーヌ シャープペンシル」を発売している。“芯の折れにくいシャープペンシル”は業界初の試みで、「試験のときに折れない!」と中高校生から絶大な信頼が寄せられ、同社のシャープペンシルの中でも記録的な売り上げだったという。

 そのプラチナ万年筆が、2014年6月10日にオ・レーヌの耐芯構造をさらに強化した「オ・レーヌ シールド」を発売。新設計により芯折れ強度を1.5倍アップし、同社の一般的品に比べると約15倍も芯が折れにくいシャープペンシルが誕生した。

 今、シャープペンシルの芯は、そんなにも折れにくさが求められているのか。またこの2つのシャープペンシルの芯はなぜ折れにくいのか。既存品とくらべて、どの程度折れにくいのだろうか。

0.2mmの極細芯なのに、書きやすく折れにくいことでヒット中の「オレンズ」(500円)。軸色はスカイブルー、ピンク、イエロー、ブラック、ホワイトの5色
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折れにくさで人気を獲得した製品をさらにバージョンアップさせた「オ・レーヌ シールド」(200円)。軸色はメタリックブラック、透明、シルバー、メタリックブルーの4色
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