シグマが6月27日に販売を開始した高級コンパクトデジカメ「dp2 Quattro」が話題を呼んでいる。35mm判換算で45mm相当となる単焦点レンズは従来モデル「DP2 Merrill」を継承しているものの、グリップ部が後方に大きく出っ張った特徴的なデザインのボディーや、構造を改良した独自のFoveon X3ダイレクトイメージセンサーなどの個性的な装備が注目されている。実勢価格は10万円前後と高めながら、熱心な写真ファンがこぞってインターネットで購入報告をしているほどだ。気になるdp2 Quattroの魅力や実力を、早くからDPシリーズに触れている写真家の三井公一氏に深掘りレビューしてもらった。

ついに販売が始まったシグマの「dp2 Quattro」。大柄なボディーは、これまでのどのデジカメとも異なる個性的なデザインに仕上げられている。実勢価格は10万円前後
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 最近、ネット上で話題になっているデジカメがある。それは、レンズ一体型のコンパクトデジタルカメラながらとても解像感が高く、シャープなうえに色鮮やかな写真が撮れる。そして、その画質はデジタル一眼レフを軽く凌駕する描写で、しかもボディーデザインがとても斬新。一度見たら忘れられないくらい衝撃的な姿なのである。そのカメラの名は「dp2 Quattro」。シグマが放った意欲的な高級コンパクトデジタルカメラだ。

新開発のQuattroセンサーを搭載し、定評のある写りに磨きをかけた

 このdp2 Quattro、2月に開催された写真とカメラの総合展示会「CP+ 2014」でも大きな話題をさらったのでご記憶の方も多いだろう。「夏前に発売予定」というシグマの予告通り、6月末に発売となった。首を長くして待っていた人の手に渡ると同時に、購入者がさまざまなWebサイトにアップした写真の圧倒的な解像感と描写が話題になっているのだ。

横幅は161.4mmと、かなり存在感のあるボディーとなっている。高さは67mmだが、レンズやダイヤル類が上部に出っ張っていることもあり、ボディー自体はもっとスリムに仕上がっている
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背面には、3型/92万ドットの液晶モニターが鎮座している。ボディーが大柄なぶん、ボタン類はかなり余裕のある配置となっている
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斜めから見ると、特徴的な造型やボディー自体のスリムさがよく分かる。背面の4方向ボタンの後方は少しくぼんでいて、親指の指がかりとして活躍する
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真上や真下から見たところ。ボディーの薄さや重厚なレンズの構造、右手の親指が当たる部分に設けられた指がかりの構造がよく分かる。グリップの部分には大型バッテリーが収まる構造で、ムダなスペースはほとんどない
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 このカメラは、いわゆる「高級コンパクトデジタルカメラ」のジャンルに属する。その定義は、高性能なレンズと大型のセンサーを搭載することで、高画質な写真を撮ることができるコンパクトデジカメ、というものだ。実は、そもそもこのジャンルのパイオニアはシグマなのである。初代「DP1」がまさにそれであった。

2008年3月に登場したDPシリーズの初代モデル「DP1」。35mm判換算で28mm相当の広角レンズは、優れた解像力や逆光に強い点などが写真ファンに高く評価された
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 今でこそ、競合カメラがいくつも存在するが、シグマの「DP」シリーズ(今は小文字の「dp」になった)は自社の高性能単焦点レンズと、子会社が開発する「Foveon X3 ダイレクトイメージセンサー」という3層の特殊な撮像素子を採用したことで、他社のカメラとは一線を画す仕上がりになっている。特に、Foveon X3 ダイレクトイメージセンサーは前述の通り3層構造のうえ、ローパスフィルターレスということもあり、高解像感を誇っていた。

 これまでは、各層ごとに1:1:1で光の情報を読み取っていたが、新たに開発された「Quattroセンサー」は1:1:4構造とし、より高い解像感と高速処理を実現したのだ(1:1:4の「4」がQuattroというセンサーのジェネレーションネームの由来となっている)。高級コンパクトデジタルカメラのパイオニアが、写りにさらに磨きをかけてリリースした新製品が、このdp2 Quattroなのである。