遅すぎた!? キカイダーのリメイク

(C)石森プロ・東映 (C)2014「キカイダー」製作委員会
[画像のクリックで拡大表示]

──まずは映画化の経緯から教えてください。

井上伸一郎(以下、井上): 2011年11月のある夜、白倉さんと飲んでいたときに、キカイダーがテレビ放送されたのが1972年だったなと、たまたま思い出したんです。つまり翌年が生誕40周年だった。それで「東映さんでは何か企画があるんですか?」と聞いたことが始まりです。

──飲み屋トークですか!? 井上さんは、あらかじめ話そうと思っていたのでしょうか。それともまったくの思いつきで?

井上: 本当に思いつきですね。その話をはじめたときは深夜11時をまわっていたので。3軒目くらいですか?

白倉伸一郎(以下、白倉): ですかね。相当、酔っ払っていました(笑)。

井上: そのときに白倉さんは「特にありません」という返事をされたので、「じゃあ、私のほうで企画書を書いてみてもよろしいでしょうか」と。翌2012年1月に企画書を提出し、東映さんの社内で検討後、春くらいに会合を持ち、「じゃあ、一緒にやりましょう」という話にまとまりました。

──40周年だから何かをやろうというのは分からなくもないのですが、ターゲットが気になります。「仮面ライダー」シリーズのように、子どもを中心としたファミリー層を想定しているのですか?

白倉: 40年前の作品の場合、ターゲットの設定がものすごく難しいですね。

例えば“30年サイクル”であれば、5歳だった視聴者は35歳、10歳だった視聴者は40歳になっていて、子どもの頃に見ていたという視聴者自身が親になっている可能性が高い。そうなると親子2世代で劇場に出かけ、楽しめるキャラクターになり得ます。

リメイクが流行していると言われますが、“サイクル”を逃すとリメイクは成功しにくいものです。早すぎると周りが追いつかないし、遅すぎるとあとの祭りになる。実際にサイクルをうまく生かせず消えていったキャラクターもいますし、一世を風靡(ふうび)し知名度はありながらも陽の目を見ることがないタイトルは非常に多いんです。それほど、リメイクする際にはサイクルが大事で、“40年”は遅すぎるのではないかというのが正直な感想です。

ただ「キカイダー」という有名でファンも多いキャラクターにとっては、最後のチャンスではないかという思いもあります。それに、“早い遅い”にこだわるとアメリカンコミックの『スーパーマン』や『キャプテン・アメリカ』の成功はどう説明するんだということになりますし(笑)。

井上: 確かに30年周期は多くの作品に当てはまります。例えば『ゴジラ』の1作目は1954年で、復活した平成ゴジラシリーズは1984年に始まりました。1965年に誕生した『ガメラ』もちょうど30周年のときに、平成ガメラシリーズの1作目が映画化されている。

『仮面ライダー』(1971年に1作目が誕生。2000年に平成仮面ライダーシリーズとして復活)も『ウルトラマン』(1966年に1作目が誕生。1996年に平成ウルトラマン三部作として復活)もそう。そういう意味では『キカイダー』の40年というのは、本当にギリギリかもしれません。でも、個人的には“アリ”かなと思います。

[画像のクリックで拡大表示]