成り立つのか、成り立たないのか

 では学童保育にビジネスチャンスはあるのか。

 民間学童保育のパイオニアであるキッズベースキャンプは、これまで不可能としていたビジネス化に成功した。

 とはいえ「保育、教育はお金にならないと言われ、ビジネスとして成立させることが難しい領域」だと小田氏は明言する。

 「通常、2500万円以上の資金が必要で、順調に運営できても黒字化に2年、投資回収に5年間はかかる。難易度の高いソーシャルビジネスなんです」(小田氏)

 公設公営、あるいは公設民営の学童保育は行政からの補助金があり、またこれまで学校の空き教室や児童館などを利用していたので、利用料は月額約5000円から1万円程度だったというが、民間企業が運営する学童保育は毎月の利用料が5万円以上など、“高額”と感じられる設定になっている。実は設備利用費や人件費などを考えると、経営側から見たら5万円でも安いくらいなのかもしれない。もし利用料以外で収益を上げようとしたら、食事(夕食など)代や、22時など遅くまで預かるための延長料金まで、顧客に負担してもらうしかない。

 難易度の高さは単純に経営面だけでは語りつくせない。せっかくできた学童保育施設が失敗し撤退してしまうと、「民間学童ができたから……といって、そのエリアにわざわざ転居してくる人もいるので、子どもの預け先がなくなり、最悪のケースでは仕事を辞めざるを得ない人まで出る」(sopa.jp 事務局長・理事 板谷友香里氏)などと新たな問題も発生するのだ。

 このためたとえビジネスチャンスを感じていても「ビジネスとして成立させる、となると“もうける”ことを重視しがちですが、学童保育に関しては“続けるためのビジネスの仕組み”を作ることも大切な段階」(小田氏)だと、sopa.jpでは話しているのだという。

 とはいえ「sopa.jpが携わった民間学童保育、特に経営に参画している民間学童保育については順調に進んでいて、創業2年目にして、店舗を増やす計画もあります」(小田氏)といい、成功例は増えているといえそうだ。

左が小田るい氏、右が板谷友香里氏
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