Excel方眼紙がどんどん広がったのも、Excel方眼紙に対するニーズがそれだけあったということです。Wordをはじめ、Excelに取って代わる有効なアプリケーションが身近になかったという証でしょう。

 作成することだけを考えると、Excel方眼紙は業務効率化や生産性向上に役立っているはずです。ところが、冒頭から述べてきた通り、Excel方眼紙は業務効率化や生産性向上の障害だとも言われます。その違いは、「作る側」と「使う側」の対立のように見えます。

 Excel方眼紙を批判する人々も、「Excel方眼紙を自分で作って印刷して、紙で使うだけなら問題ない」と言います。前述した実践ワークシート協会も、「エクセル方眼紙を全否定しませんが、もし、業務としてそれらのデータを『再利用』するのであれば」使うべきではないと、用途に応じた使い分けを訴えています。

10年前とは「再利用」の幅が違う

 この「再利用」に対するニーズが、昨今は格段に増えました。それが、Excel方眼紙に対する批判が高まっている背景にあるのではないでしょうか。

 10年前は、紙の書類や帳票をどんどん電子化しようと躍起になっていた時代です。といっても多くの場合、とりあえず電子化して、あとは印刷して使えばよい、という程度でした。手書きではなく、パソコンで入力できることが生産性向上であり、一度印刷してしまえば、そのExcelシートはもう不要、というケースも少なくなかったでしょう。そのようなニーズには、Excel方眼紙はうってつけでした。

 ところが、今は電子化されていることは当たり前の時代です。焦点は、その電子化されたデータをいかに活用するかに移っています。「ビッグデータ」や「データサイエンティスト」といったキーワードがもてはやされているこの時代、Excelのデータがあるのに、それを電子データとしてフル活用できないのは、もってのほかというわけです。

 同時に今は、モバイルの時代でもあります。スマートフォンやタブレットなど、マルチデバイス化が進んでいる中、極端に作り込まれたExcel方眼紙は、汎用性の面でも不都合が生じます(画面3)。Excelでしか完璧に再現できないようなワークシートは、思わぬトラブルの基になりかねません。

画面3●Excel方眼紙のシート(左)をiPhoneで開いた開いたところ(右)
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