買い取ったXP搭載パソコンはWindows 7化して再商品化、OSの調達手段に工夫か

 イオシスの倉庫には、買い取ったXP搭載パソコンが山のように積まれていたが、中村氏は「さすがにXPのままで販売することはない」と語る。サポート終了が迫るXP搭載パソコンを店頭に並べても、誰も目を向けないからだ。

 イオシスの狙いは、買い取ったXP搭載パソコンにWindows 7をインストールして再商品化することだ。Windows XPと比べて操作方法が大幅に変わったWindows 8ではなく、Windows XPと似た感覚で操作できるWindows 7パソコンを求める人はいまだに多い。そのような人に対し、Windows 7パソコンを低価格で提供しようというのだ。

 だが、パッケージ版のWindows 7は、一般向けのHome Premiumでも2万5000円前後する。パソコンと一緒に販売することが条件のDSP版でも1万5000円近くするため、商品化にあたってこれらを導入すると、コストは2万円近くになる。これに販売店の利益を載せると、もともとWindows 7がインストールされているパソコンの中古品との価格差が少なくなり、わざわざ古いXP搭載パソコンをWindows 7化するメリットは薄れてしまう。

 一般にはあまり知られていないが、日本マイクロソフトは中古業者に対してWindowsの正規ライセンスを提供する「MARプログラム」(The Microsoft Authorized Refurbisher Program)を用意している。OSが消去されたパソコンを中古業者が再商品化する際、Windows 7などのOSを日本マイクロソフトが提供するという内容だ。もともとは、違法コピー版のWindowsをインストールして販売する悪質な業者に改善を促すために始められたものだが、特徴的なのがOSの提供価格だ。正確な数字は明らかにされていないが、「メディアの実費+α程度で済み、DSP版などと比べて圧倒的に安い」といわれている。主要な中古業者がこの制度を利用することで、Windows 7搭載パソコンの中古品がより低価格に提供できるわけだ。

 現在、Windows XPのサポート終了と消費増税を前に、Windows 7搭載の中古パソコンが好調に売れ、手ごろな価格のものは品薄になっているという。Windows XPからWindows 7に再生された中古パソコンが店頭に並べば、より安くWindows 7パソコンが入手できるようになるだろう。

●はみ出し情報…工場などでは今後もWindows XP搭載パソコンが求められる

 あえてWindows 7などの新しいOSを導入せず、程度のよいパソコンをWindows XPのまま販売するショップもある。中古品を扱うアールガーデンの鈴木康弘氏は「Windows XPでしか動作しないハードウエアやソフトウエアがいまだに多く存在し、そこで利用するXP搭載パソコンを保守用に求める法人客がいる」と語る。

 特に、以前から印刷関連の業務や工場で利用されているパソコンは、ハードウエアのドライバーやソフトウエアがWindows XPにしか対応しておらず、Windows 7などの新しいOSでは正しく動作しないケースが多いという。

 そうした用途では、インターネットや社内のネットワークに接続せず、スタンドアロンで使われているケースが多い。利用するUSBメモリーやCD-Rなどの取り扱いに注意していればウイルス混入のリスクは少なく、OSのサポートが打ち切られても致命的な影響はないため、XP搭載パソコンが引き続き使われるわけだ。

(文/白石ひろあき)