筆者は「10 over 9 Reading Club」という読書イベントにファシリテーターとして関わっている。これは全国に30店舗以上のカフェやレストランを展開するバルニバービ(東京都台東区)と慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科によるコラボレーションプロジェクトだ。

 まだ立ち上がったばかりだが、やってみるとこれがなかなか面白い。参加者のモチベーションが高く、話が弾む。いろんな意見が出て「こういう読み方もあったのか!」という気づきも得られる。

 関わり始めてから知ったのだが、読書会や各種ブックイベントがいまジワッと人気らしい。本離れや出版不況がいわれるなか「まさか」と思われるかもしれないが、たくさんの参加者を集めるイベントや全国的に広がっているプロジェクトもある。

 例えば「日本最大級の読書会コミュニティ」といわれ、メディアなどで取り上げられる機会も多いのが「猫町倶楽部」。この会は有料だが、1回のイベントで300人を集めることもあるそうだ。参加者はその回のテーマに合った本を持って集い、グループに分かれて話し合う。参加者はそこでの“語らい”や“交流”にお金を払っているのだ。

 ここのウェブサイトを覗いてみると、「ドラッカー『経営者の条件』を読む」といったビジネス書や専門書寄りの会があると思えば、「ダメ男とプロポーズされない女のための一泊読書会ツアー」といった特別企画もある。さまざまなイベントがあって面白そうだ。自分の関心のあるジャンルが見つかると、参加意欲をそそられる。

 本をテーマにした活動としては、書評イベント「ビブリオバトル」も有名だ。「書評」と聞くと読書以上にハードルが高そうに思えるが、ゲームの要素(制限時間を設けたプレゼン・投票によるバトル)を取り入れ、楽しく参加できる仕組みになっている。

 やり方はシンプル。参加者が(1)お気に入りの本を持って集まり、(2)自分が持参した本を1人5分で紹介(+2~3分のディスカッション)、(3)「どの本が一番読みたくなった」で投票を行い、チャンプ本を決める!という内容。教育機関や行政、企業も巻き込んで全国的な盛り上がりを見せている。

 ビブリオバトルが興味深いのは、公式ルールを守りさえすれば誰でも開催できること。オープン化はこういったコミュニティを普及させたい場合に重要なポイントになる。上記2つは特に人気が高いイベントだが、このほかにも多くの“本コミュニティ”が活発に展開されている。

「10 over 9 Reading Club」の様子。イベントはセミナーとワークショップで構成。セミナーではゲスト講師が自身のおすすめ本を紹介し、その中から参加者で読んでみたい本を選ぶ。その翌週に行うワークショップではその本をテーマにディスカッションを行う
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