“立ちながらミーティング”で効率アップ―アイリスオーヤマ

 IHクッキングヒーターや収納ケース、クリーナーなど1万5000もの自社アイテムを持つメーカーベンダー、アイリスオーヤマでは、20年以上前からミーティングは立って行うのが普通になっているという。

 「一番の目的は仕事の効率化。部内の毎朝のミーティングは丸型のスタンディングテーブルで行うようにしています。わざわざ会議室の手配をする手間がなく、会議も短時間で済むようになりました」と広報室の小形紗緒里さんは話す。このスタイルは、じつは創業当時の習慣を引き継いだものだとか。「創業当時は、今よりも規模が小さかったため、工場の生産ライン上で問題が発生した場合、迅速に集まって対処するため、その場で立ったまま打ち合わせが行われていました。それが現在まで活かされています」(小形さん)。

スタンディングタイプの丸テーブルでは、社員が立って打ち合わせをしたり、仕事をしたりしている
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 ミーティング用のテーブルは大山健太郎代表取締役社長が考案して発注した特注品だ。高さは約1m。立ったままメモなどを取るのにちょうどいい高さだ。丸型にしたのは、丸型なら席次で悩むことなくすぐにテーブルに集まれるからとか。丸型のスタンディングテーブルにしてから、以前は長丁場になりがちだった朝の会議が10分ほどで終わるようになったという。

 「問題発生時にもすぐに集まれるので、効率もアップしました。また、会議もスピーディーになり、短い時間で必要な情報を発表することが求められるようになったので、営業のプレゼン能力の向上にもつながっているという意見も聞きます」(小形さん)

 現在では、座って仕事をすることに疲れた人が、丸テーブルで仕事をしている姿も見かける。実際に取材で訪れたときも、営業部長は立ちながら丸テーブルで仕事を黙々とこなしていた。聞くと、「このスタイルのほうが頭がスッキリ働くことがあり、まとめた書類を持って出かけるときにも行動がしやすい」とのことだ。

 アイリスオーヤマでは、ほかに、パソコン専用のデスクの島があり、パソコンを使用するときは、45分間使用したら15分はその場から離れるというルール(現在は各部署のスタイルに合わせた運用になっている)がある。このルールも、パソコンにかじりついていた開発者の様子を見た大山社長が、「脳トレ」を開発した東北大学未来科学技術共同研究センターの川島隆太教授にアドバイスをもらうなかで始めたことだそうだ。結果、パソコンをだらだらと使っていた時間に手を動かしたり、コミュニケーションをとったりして、クリエイティブ性を高められ、効率がアップし、残業の削減にもつながっているという。

 スタンディングスタイルのミーティングをすることで、体調などに変化があるかどうかはわからないが、「個人の感想ですが、長い時間会議室に閉じこもるより、丸テーブルでサクサクと打ち合わせが運んだほうが疲労感は少ないと思います」と小形さんはいう。