イオンの「トップバリュ」やセブン&アイホールディングスの「セブンプレミアム」など、大手流通がプライベートブランド(PB)の開発に力を入れるなか、専門店もPBを強化している。

 PBは商品の独自性で他店との差異化を図れるだけでなく、自社で企画、生産から販売まで一貫管理することでコストを抑え、価格競争力を発揮できるメリットがある。ただ、在庫などのリスクが大きく、製造委託する商社やメーカーに生産管理を任せるケースが多い。

 そんななか、ベビー・子供用品専門店の西松屋チェーンがPB開発に本腰を入れて取り組んでいる。自社で企画から生産管理まで行い、一から開発したベビー用品を低価格で展開。2010年に発売したベビーバギー(ブランド名「スマートエンジェル」)は累計販売台数が約10万台に上る。西松屋では有名メーカーのナショナルブランド(NB)を上回るヒット商品になっている。

 同社のPB開発のカギを握るのが、製造の現場で豊富な経験を積んできた大手電機メーカー出身の技術者たちだ。小売業の現場では対応できない部品調達や工場とのやりとりはもちろん、徹底した品質管理とコスト管理でPB開発に挑戦している。

 大手メーカー出身の技術者を積極的に採用するようになったきっかけは、中国の工場から直輸入していた商品で不良品や納期遅れなどのトラブルが多発したことだという。

 「品質や価格、数量が安定せず、クレームにも的確に対応できない素人のものづくりに限界を感じた。大手メーカーでトップレベルのものづくりを経験した人なら、トップレベルの商品を開発してくれるのではという期待もあった」と、同社の大村禎史社長は振り返る。また、リーマンショックとグローバル競争の激化で苦しい経営環境が続く日本の電機メーカーで工場の閉鎖や従業員のリストラが相次いだことも追い風となった。

 3、4年前から59人を採用し、25人が商品本部で新たなPBの開発に携わっている。平均年齢は57歳。前職とは全く畑違いの商品を開発する人も多い。

 ものづくりのエキスパートが本気で取り組むPB商品は、従来品と比べて何が強みなのか。ベビーバギーとベビー布団セットの開発者に、人気の秘密と開発秘話を聞いた。

ベビー・子供用品を低価格で展開する「西松屋チェーン」
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通路が広く、見やすく買いやすい売り場には衣料品からベビー用品、玩具、ベビーフードまでそろう
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有名メーカーのナショナルブランドが並ぶベビーカーの売り場で人気を集めるPB商品(左端)
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ベビー布団10点セットは2013年10月から発売
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同社が独自に開発したプライベートブランド用のPOP
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