日本では2010年ごろから夏は猛暑が続き、冬は厳しい寒さになるという傾向にある。

 2013年10月には、大型で強い台風26号の影響で北海道では例年より1カ月も早く初雪を観測。2013年9月25日に気象庁が発表した「寒候期予報」や、11月25日に発表された3カ月予報でも、平年に比べ全国的に雪の日が多くなりそうで、特に日本海側では大雪の恐れが指摘されている。

 東京では雪に慣れていないため、突然の積雪で転倒しケガをする人が多い。東京消防庁によれば、東京消防庁管内(東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域)では2013年1月14日の降雪の際(東京都心で8cm、横浜で14cm、千葉で8cm)、東京消防庁管内で降雪日を含む1週間に、積雪や凍結路面などでの事故で救急搬送された人数が551人に上ったといい、特に降雪の翌日は233人と多くの人が救急搬送されている。

 こうした事故を防ぐためには、どんな備えや心得が必要なのだろうか?

 降雪地帯である北海道札幌市を拠点に、積雪寒冷地における冬の生活を安全・安心・快適に過ごすための情報を発信しているウインターライフ推進協議会(事務局:北海道開発技術センター)の永田泰浩氏に話を聞いた。同協議会のサイトでは、札幌市内の転倒事故の現状をはじめ、雪道で転ばないためのコツや靴の選び方、あると便利なグッズなどを具体的に紹介している。

札幌市で転倒事故が最も多いのは12月

 札幌市で転倒事故が最も多いのは、真冬の1月、2月でなく12月だという。その理由について永田氏は次のように話す。

 「滑りやすい路面は、道路にできた圧雪や、氷の部分の表面が少し融けて水ができ、それが再び凍って発生します。札幌では比較的気温が高い12月や3月に表面に水が発生しやすくなります。東京などの積雪の際もこのような水が発生しやすいと思います。さらに、12月は初冬期なので、雪に慣れている道内の人でも、まだ冬靴の準備ができていなかったり、油断していたりして転んでしまう人が多い。東京での降雪の際も、これと同じで不慣れで準備不足な歩行者が多いので転倒者が多くなるのだと思います」

 道内では1月から2月になるとさらに気温が下がる。この時期は“融けてから再び凍る”という回数は少ないが、一度できた滑りやすい氷が融けずに長く残ってしまい、再び転倒者が増えることがあるそうだが、東京など関東圏ではこうした現象は考えにくい。

滑りやすい、凍ったつるつる路面では転倒事故が起こりやすい
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 また札幌市で転倒事故により救急搬送で運ばれる人は、60代~70代が最も多い。ただし、高齢者になればなるほど、その年代の人口に対して搬送される割合は高まる。ケガの状態は、頭部を打ったケースが約4割と最も多く、次いで脚部、腰部、足部の順で、骨折や打撲といった症状が圧倒的に多い。高齢者や女性が特に重症化する傾向にあるのも特徴だ。

 ではどうすれば転倒によるケガを防げるのか。