最近PCの使い過ぎで目が疲れているな……と感じてドラッグストアへ行き、目薬の種類の多さに驚いた、という経験はないだろうか。たとえば、ロート製薬の製品だけでも、疲れ目に有効な目薬は38種類、ドライアイ用、かゆみ用、充血用などを合わせると43種類にものぼる。また、富士経済による一般用医薬品(市販薬)市場の調査によると、目薬の2012年の市場規模は393億円、2013年には2.5パーセント増の403億円規模になることが見込まれている。増加の大きな理由として、PCやスマートフォンの普及により、目を酷使している人が増えていることや、消費者のニーズの細分化に合わせて商品開発が行われていることが挙げられている。

 実際にドラッグストアでも目薬の売れ行きは安定して好調だ。「PCやスマートフォンの普及なども関係していると考えられるが、疲れ目や目のかすみを改善する目薬を購入するビジネスパーソンが多い」とは、首都圏を中心に展開しているトモズ(運営:住商ドラッグストアーズ)の銀座三丁目店の薬剤師、八幡氏だ。また、コンタクトレンズを使用している人が多いことから、コンタクトレンズを装着していても使える目薬や、装着時の不快感を改善する目薬を探しているケースも多いという。

 それでは、市販されている目薬をどのように選べばよいのだろうか。そのポイントを吉野眼科クリニック院長の吉野健一氏に聞いた。

 ドラッグストアで販売されている一般用医薬品(OTC)(※注)の目薬は、主に、目の疲れ、目のかわき(ドライアイ)、目のかゆみ、目の充血、コンタクトレンズの不快感という目的別に分類することができる。

 「治療を目的として医師が処方する目薬とは違い、目の疲れやかすみを取るなど、目の健康維持やリフレッシュを目的として販売されている。誰でも購入できるので、効能が強すぎたり、副作用があったり、ということはほとんどない」(吉野氏)。たとえば、リフレッシュを目的とした清涼感のある目薬は、配合されているメントールやハッカ油、ユーカリ油の量によって清涼感の度合いがさまざまだが、自分の好みで選べば問題がないという。

目薬の種類と効能

 OTC点眼薬には主に5種類ある。用途によって分けられているので、購入の際の参考にしよう。

●一般点眼薬
 目の疲れ、結膜充血、眼病予防(水泳のあと、ほこりや汗が目に入ったときなど)、紫外線などによる眼炎(雪目など)、眼瞼炎(まぶたのただれ)、ハードコンタクトレンズを装着している時の不快感、目のかゆみ、目のかすみ(目やにの多いときなど)

●抗菌性点眼薬
 結膜炎(はやり目)、ものもらい、眼瞼炎(まぶたのただれ)、目のかゆみ

●人工涙液
 目の疲れ、涙液の補助(目のかわき、ドライアイ)、ハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズを装着している時の不快感、目のかわき(目やにの多いとき)

●コンタクトレンズ装着液
 ハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズの装着を容易にする

●洗眼薬
 目の洗浄、眼病予防(水泳のあと、ほこりや汗が目に入ったときなど)

参考:『眼科医が教える目の衰え・疲れ目がスッキリする本』(吉野健一著、PHP研究所刊)


(※注)
OTC(over the counter:一般用医薬品)とは、医師が処方する医薬品とは異なり、薬局やドラッグストアなどで販売されている医薬品のこと。2009年の薬事法の改正により、OTC医薬品が3つのグループに分類されるようになった(日本OTC医薬品協会)。第1類医薬品は、OTC医薬品としての使用経験が少ないものや、副作用・相互作用などの項目で、安全性上特に注意を要するもの。第2類医薬品は、副作用・相互作用などの項目で、安全性上特に注意を要するもの。第3類医薬品は、副作用・相互作用などの項目で、安全性上多少注意を要するもの。また、第1類医薬品は、薬剤師が情報提供をしなくてはならないのに対し、第2類と3類は、薬剤師または登録販売者の対応で販売することができる。OTC医薬品の目薬は、第2類と3類が主になっている。