この記事は「日経PC21 12月号特集 この秋の新常識でネット接続を大強化! Wi-Fi&LTE(10月24日発売)」から転載したものです。内容は基本的に執筆時点のものとなります。

 この特集では、さまざまな機器を無線(ワイヤレス)でネットに接続する方法を紹介する。具体的には、「Wi-Fi」と呼ばれる無線LANと、「LTE/3G」などのモバイル通信技術を利用する。両者は、“無線でデータ通信できる”のは同じだが、そもそもの目的や特性が大きく異なる。この違いが、使い勝手や利用料金に大きく関係してくる。ここでは、その違いを整理していこう。

 LTE/3Gは、携帯電話が利用している通信方式。Wi-Fiは、ノートパソコンやタブレットの標準的な通信方式だ(図1)。携帯電話でもあり、超小型パソコンでもある「スマートフォン」は、この両方の通信機能が使える。タブレットの一部にも双方の通信機能を備えるものがある。

 この2つは、利用目的が大きく異なる(図2)。LTE/3Gは、元をたどると「外で電話をするための通信方式」だ。携帯電話で出先で場所を問わずに通話できるようにするため、広いエリアでサービスを提供する必要があった。このため、基地局と呼ぶアンテナから半径数百メートル~数キロメートルまで電波が届く。最初はアナログ方式だった携帯電話も1990年代にデジタル方式(2G)になり、2000年代にはより高速な3Gに進化した。

 Wi-Fiは、「無線LAN」という名前の通り、構内通信網の「LAN」を無線化したもの。要はLANケーブルをつなぐのが面倒なので、無線化したわけだ。このため、電波の届く範囲は数十メートル程度と狭い。

図1 今、スマホやタブレット、パソコンをネットに接続する方法は、「LTE/3G」と「Wi-Fi」の2つがある。LTE/3Gは携帯電話の通信方式で、スマホの通話やデータ通信にも使われている。Wi-Fiは屋内でパソコンやIT機器をつなぐ方式だが、タブレットやスマホも標準対応している。スマホは、LTE/3GとWi-Fiの両方の通信手段を兼ね備えた情報機器なのだ[注1]
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図2 LTE/3Gは、もともと外出先で「通話」をするための通信技術だ。そのため、LTE/3Gは外に強く、利用エリアが広い。ただし、利用する電波は免許制で、国から割り当てられた電波しか使えない。一方のWi-FiはLAN回線を無線化する方式から発展している。このため利用エリアは狭いが、通信速度は高速。屋内を中心に自由に設置して利用できる
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[注1]スマホ、タブレットはブルートゥースによる無線通信にも対応しているが、ここでは扱わない