2013年9月25日にユニバーサル ミュージックが発売する、プラチナSHM仕様のロック/ソウル名盤。写真のザ・ローリング・ストーンズ「メイン・ストリートのならず者」(左)「刺青の男」(中央)、スティーリー・ダン「彩(Aja)」(右)のほか、ザ・フー「フーズ・ネクスト」、デレク・アンド・ザ・ドミノス「いとしのレイラ」、オールマン・ブラザーズ・バンド「フィルモア・イースト・ライヴ」、クイーン「オペラ座の夜」、ダイアー・ストレイツ「悲しきサルタン」、スティーヴィー・ワンダー「トーキング・ブック」、マーヴィン・ゲイ「ホワッツ・ゴーイン・オン」の計10タイトルが発売される
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 音楽はデータ、クラウドでという人も激しく増えているが、同時に、やっぱり良い音でパッケージとともに楽しみたい人が減ることはない。

 世界64カ国・1400以上のレコード会社やレコード業界団体などを会員に持つ国際組織、FPI(国際レコード産業連盟)が2013年4月8日に発行した「Recording Industry in Numbers 2013(RIN)」によれば、世界49カ国の音楽市場を合計した2012年の売り上げは、前年比0.2%増の16480.6百万USドル(約1.6兆円)で1999年以来13年ぶりのプラスだった。このうち国別の売り上げ順位では、日本は米国に次ぎ世界2位を記録。音楽ソフト(オーディオ、音楽ビデオ含)および有料音楽配信の売り上げ合計(音楽の二次利用に関する権利収入を除く)では、4282.2百万USドル(約3529億円/2012年の平均レート)で1位となっている。日本レコード協会によれば、このうち日本の売り上げのシェアはパッケージが80%となっており、1位である米国のパッケージ売り上げが34%しかないことを考えると、今もパッケージを楽しむ文化があることが分かる。

 パッケージを購入する層の高齢化が指摘されてはいるが、レコード会社各社の話を総合すると、紙ジャケット仕様のCDや、最近話題の高音質ディスクに関しては、層が広がっている印象もあるようだ。

 そんななか、音楽&オーディオ・ファンの琴線を刺激するアイテムが開発された。それがユニバーサル ミュージックとビクタークリエイティブメディアが共同開発し、2013年9月25日にユニバーサル ミュージックからその第1弾シリーズが発売される「プラチナSHM」だ。

音質の向上が課題とされたCDの高音質化への道のり

 1980年にCD(Compact Disc)が規格化され、レコードに取って代わる形で音楽を聴くメインのメディアとなって以来、音質の向上は課題であった。それがこの5年で大きく進化している。

 高音質化に関して最も注目が集まったのは、何と言っても2007年にユニバーサル ミュージックとビクタークリエイティブメディアが開発した「SHM-CD(Super High Material CD)」だろう。これはCDの保護層に液晶パネル用のポリカーボネートを採用したもので、通常のCD以上の音質が音楽ファンに認められ、順次、カタログアイテムなどに採用されていった。

 しかし実はSHM-CDより10年以上前にビクタークリエイティブメディアが開発した「Extended Resolution Compact Disc(xrcd)」の存在も忘れてはならない。これは、マスタリングとCD製造にいたる全工程を徹底的に音質管理することで高音質に仕上げられたCDで、演奏のすべてのニュアンスが、録音されたときに限りなく近く、高度な正確さで再現できるものとして提示された。

 ただし、一層の技術とインパクトで世間に認識されるようになったのはやはりSHM-CDの存在で、その流れを受け、2008年にソニー・ミュージック エンタテインメントは「ブルーレイディスク」の製造技術と素材を応用して開発した「ブルースペックCD(Blu-spec CD)」を発表。さらにメモリーテックが開発し、ポニーキャニオンなどが採用した特殊合金が反射膜素材に使われた「ハイクオリティCD(HQCD)」、ビクター エンタテインメントが開発した原音探求をテーマとした「K2HD(K2High Definition)」などが登場し、一気にCDの音質が向上してきた。

 いずれも音質の良さに加え、通常のCDプレイヤーでも再生可能であったことからユーザーには大いに歓迎された。逆に次世代を担うべく登場した「SACD(Super Audio CD)」や「DVDオーディオ」は、確かに音質的には高いものの専用機が必要だったりソフトが少なかったりで、思うように普及はしていない。

 そうした流れを背景に音質アップとハイエンドなディスクとして誕生したのが今回登場したプラチナSHMというわけだ。