バーベキューでうまく肉を焼くにはどうすればいいか――。そのコツを科学的な観点から教えるイベントが行われた。

 このイベントは肉焼き料理のおいしさ・楽しさを高めるノウハウや肉の健康効果を研究する「肉焼き総研」によるもの。今回は肉焼き総研メンバーであり、食物学博士の佐藤秀美氏が「科学的な根拠のある肉焼き絶品ルール」を説明した。

食物学博士の佐藤秀美氏が「科学的な根拠のある肉焼き絶品ルール」を説明
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肉の中心温度が65度を超えないように焼く!

 まず肉をうまく焼くポイントは「肉の中心温度が65度を超えないように焼くこと」。例えば、焼いているハンバーグの中の温度変化と肉汁の量の相関関係を調べてみると、65度を超えると肉汁の量がガクンと減るという。これは肉の繊維を束ねているコラーゲンの膜が65度を超えると一気に縮み、反動で内部の肉汁が外に流れ出すため。さらに過熱を続けるとコラーゲン組織が緩み、そのすき間から肉汁が流れ出て肉が固くなってしまうのだ。

肉の中心温度の変化と肉汁の量の関係を示したグラフ。66度から一気に肉汁が流れ出しているのが分かる
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肉表面にうっすらと肉汁が浮き上がってくるのが65度に近づいた目安
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 2つ目のポイントは「漬け焼き」。焼く前に焼き肉のタレ(フルーツ入り)に漬けることで、肉が柔らかく焼ける。これは焼き肉のタレに含まれる「糖」「フルーツ」「油」がポイント。まず糖は水と結びつきやすく、肉の筋組織に浸透すると肉の保水性が向上し、肉が固くなりにくくなる。そして、フルーツに含まれる有機酸によって肉の保水性がより高まる。さらに油によって表面温度が上がり、肉の表面組織が緻密になって内部の温度上昇がゆっくりになり、“65度焼き”を実現しやすくなるというわけだ。