ソニー・ミュージックコミュニケーションズ(SMC)のサービス「3Dプリント・フィギュア」が話題になっている。現在、注目を集めている3Dプリンターは、3次元のデータがあれば、その形を再現してしまう技術。SMCのサービスは、人間をスキャンして、自分のフィギュアが作れるというものだ。アニメ大好き女子のユニット「A応P(アニメ応援プロジェクト)」のメンバーに協力してもらい、その実力を試してみた。

A応Pのメンバーが3Dフィギュアに挑戦!
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「3Dプリント・フィギュア」の仕組みと狙いは?

 3Dプリンターとは、紙に二次元で印刷する従来型のプリンターとは違い、3Dデータをもとに立体物を再現するシステムのこと。樹脂を重ねたり、粉を固めるなど技術はさまざまで、手術の予行演習に使ったり、家電製品のプロトタイプに使われるなど実用化が進んでいる。

 SMCは2013年3月に開催された「アニメ コンテンツ エキスポ 2013」で「3Dプリント・フィギュア」をテスト販売した。好評だったため、6月8日、9日に続き、7月5日、6日にも同社のスタジオ内で個人向けに追加販売する。

 まず3Dスキャナーで全身を撮影してデータを取得。それをPC上で細かく調整(モデリング)し、3Dプリンターで出力する。石膏の粉を敷き詰めた3Dプリンターに特殊な接着剤を噴射し、0.01ミリほどの層を積み重ねて固めながら着彩していくことでフィギュアが完成する。価格はSサイズ(約15cm)が4万9000円で、Mサイズ(約20cm)は6万9000円、Lサイズ(約30cm)が12万円だ。

 SMC プランニングオフィスの詫間洋介氏は、「人物を3Dスキャナーで撮影する場合、裏側で影となる部分などうまくスキャンできない部分がある。より精度の高いデータにするため、人の手でモデリングするノウハウが売り」と話す。細かいモデリング作業や、発注されたフィギュアを一度に出力する事で販売価格を抑えており、スキャンしてから完成までは約2カ月かかるという。

SMC プランニングオフィスの詫間洋介氏(写真左)。自身のフィギュアも作成した(同右)。ちょっとざらっとした手触りだが、見た目は実物そっくり
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 同社は、CDジャケットをはじめとしたデザインや製版・印刷などを手掛けている。「その背景から、3Dビジネスを手掛けるのも必然的」とサービスの実用化を模索してきた。いくつかのアイデアの中からまずは、個人向けに「自分のフィギュア」を制作するサービスを始めることにした。

SMC プランニングオフィス次長の会津良一氏。アーティストやタレントとの一体化フィギュアなども検討している
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 子どもの成長や成人、還暦、妊娠した記念などに利用されることを想定されており、結婚式用に新郎新婦をフィギュア化したいという問い合わせもきている。もちろん、フィギュアのコア層であるマニア向けに、コスプレした姿を撮影することも想定している。「今後、購入者がアーティストやタレント、アニメキャラクター(合成データ)と握手や肩を組むことができる一体化フィギュアの販売も検討している」(SMC プランニングオフィス次長 会津良一氏)という。

 確かに、アーティストやアニメキャラクターのフィギュアは造形師が作ったものでもたくさんの人が購入する。「実物をスキャンするプレミア感」は、「自身のフィギア」だからこそ得られるものだ。同社には、「購入した商品(例えば車)と顧客を一体化フィギュアにするキャンペーンをしたい」など、BtoBでの問い合わせも届き始めた。