日々の生活に密着したインターネットだが、接続回線を正しく選択していないと、さまざまな側面で“損”をすることを、「あなたのネット接続は時代遅れ!? マルチデバイス時代の回線選び」で紹介した。回線の遅さによるストレスだけでなく、高画質の動画サービスを存分に使えないといったデジタルデバイドにもつながる。それでは、最新の超高速ネット接続回線とはどのようなものなのだろうか? 1Gbpsの通信の世界を垣間見てみよう。

1Gbpsの超高速ネット接続回線の実力はいかに?

 光ファイバーを使って100Mbpsなどのデータ通信ができるFTTH(Fiber to the Home)は、高速なネット接続回線の代名詞といえる存在だ。FTTHは普及当初から現在にいたるまで、個人が利用できる回線としては高速なものとして位置づけられている。そのようなFTTHだが、さらなる進化の波が押し寄せている。一般的な100MbpsのFTTHのなんと10倍という1Gbpsの超高速サービスの提供が始まったのだ。「ギガ」という響きが、その速さを象徴しているようだ。

 では、その1GbpsのFTTHというものは、実際どれほど快適なネット環境をユーザーに提供してくれるのだろうか? 編集部では、1GbpsのFTTHサービスの代表としてNTT西日本の「フレッツ 光ネクスト ファミリー・スーパーハイスピードタイプ隼」(以下、「隼」)を取り上げ、その実力を体験してみた。

NTT西日本が提供している1GbpsのFTTHサービス「フレッツ 光ネクスト ファミリー・スーパーハイスピードタイプ隼」
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 まず、1Gbpsの「隼」に加え、100Mbpsの「フレッツ 光ネクスト ファミリータイプ」の2本の回線を用意し、有線LANで接続したパソコンで1Gbpsの「隼」と100Mbpsの回線の違いを体感してみた。だが、Webサイトの閲覧はもとより、ハイビジョン画質の動画コンテンツを閲覧しても、1Gbpsの「隼」と100Mbpsの差は大きな体感としては得られなかった。100Mbpsでも、1台のパソコンを有線LANで接続して使う分にはかなりの実力を持っているということだ。

 とはいえ、細かい部分をチェックしていくと、細かな違いも見受けられた。ハイビジョン画質の動画コンテンツの再生では、再生に先行してデータを読み込んでいることを示すグレーのバーが、1Gbpsの「隼」はより速く伸びていった。有線LANで1台のパソコンを接続しているだけならば、コンテンツの再生に影響が出るほどの違いはないが、絶対的な速度の差は確かにあるようだ。

100MbpsのFTTHサービス「フレッツ 光ネクスト ファミリータイプ」と、1Gbpsの「フレッツ 光ネクスト ファミリー・スーパーハイスピードタイプ隼」の速度を比較してみた。ノートPCとタブレットの両方で同時にハイビジョン動画をストリーミング再生しても、コマ落ちすることなくスムーズに楽しめた
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 次に、1Gbpsの「隼」にWi-Fi(無線LAN)経由でタブレット端末を接続し、有線LANのパソコンとWi-Fiのタブレットの両方でハイビジョン画質の動画コンテンツを視聴してみた。結果は、双方の端末でまったく問題なくスムーズにコンテンツが楽しめた。「隼」の実力の一端といえるだろう。今回は、100Mbpsの環境で複数の端末を同時接続する環境が用意できず、直接的な比較ができなかったのは残念だ。

 とはいえ、家庭内でパソコンやタブレット端末、スマートフォン、デジタルテレビなど、さまざまなデバイスがインターネットに接続してハイビジョン画質のコンテンツを同時に楽しむ可能性が急速に高まっている現在、理屈の上では100Mbpsを超えるデータが同時に流れることもある。だからこそ、超高速な1Gbpsのネット接続環境は大きな意味を持っているといえそうだ。

 次に、ネット接続回線そのものの性能を測るベンチマークとして「フレッツ速度測定サイト」のテスト結果を紹介する。これは、インターネットを介したスピードテストとは異なり、フレッツ網の中での通信速度を測定するもの。それだけに、インターネットの回線状況やサーバーに左右されることなく、回線の「素の実力」が分かる。

▼フレッツ 光ネクスト
ファミリータイプ
(100Mbps)
100Mbpsのフレッツ 光ネクスト ファミリータイプでチェックしたところ、実測で約94Mbpsの数字が出た
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▼フレッツ 光ネクスト
ファミリー・スーパーハイスピードタイプ隼
(1Gbps)
1Gbpsのフレッツ 光ネクスト ファミリー・スーパーハイスピードタイプ隼では、約700Mbpsとなった。100Mbpsの10倍には届かなかったが、個人向けのネット接続サービスとしては驚異的な速さだ
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 理論値のように10倍までの差は出なかったが、1Gbpsの「隼」は100Mbpsの7.5倍近い実行速度をたたき出した。700Mbpsという太いパイプがあれば、インターネットからいくつものコンテンツを同時にダウンロードしても、ネット接続回線がボトルネックになることはない。これだけの実力があれば、将来にわたって家庭とインターネットを結ぶ大動脈として活躍してくれるだろう。