ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が自らiPS細胞の研究資金への寄付を集めていることで認知度が高まったのが「ファンドレイジング」サービスだ。

 ファンドレイジングとは、個人がNPOなどの非営利団体のために寄付を呼び掛けること。なかでも現在注目されているのが、インターネットを利用して幅広く寄付を集める方法。山中教授が活用しているのが、2010年3月に日本でサービスを開始した「ジャスト・ギビング・ジャパン」だ。

 「ジャスト・ギビング」は2001年に英国でスタートしたサービス。これまでにのべ1200万人以上が参加し、7億ポンドの寄付を集めているパイオニアだ。ジャスト・ギビングが誕生した背景としては「もともと英国はチャリティーが盛んな国。困難にチャレンジしている人を応援する文化が根付いていることが大きい」(ジャスト・ギビング・ジャパン代表理事の佐藤大吾氏)という。

 ジャスト・ギビングがユニークなのは、個人が簡単に寄付を呼びかけられるところ。仕組みはこうだ。個人(チャレンジャー)が支援したいNPOなどの団体を選び、マラソン完走や資格取得などの「チャレンジ」を表明する。そして、家族や友人、知人などの「サポーター」に寄付を呼びかける。サポーターは、チャレンジを応援する意味で寄付をする。すると、チャレンジャーが指定した団体にその寄付が届くのだ。

 山中教授の場合、2012年3月の京都マラソンに参加する際、自身が完走することを「チャレンジ」として京都大学iPS細胞研究基金への寄付を募ったところ、1カ月で850人以上のサポーターから1000万円以上の寄付が集まった(サイトはこちら)。

 ジャスト・ギビング・ジャパンの佐藤氏によれば、「山中教授のケースは一般とは少し違う動きだった」という。通常、チャレンジ(この場合は京都マラソン)が終わると、寄付も止まってしまう。ところが、山中教授が講演をしたりメディアで注目されたりすると、そのたびに寄付が集まっていたのだという。そして、ノーベル賞受賞が報道された直後の7時間で100人以上から寄付が集まるなど、現在も寄付が続いている。

京都大学の山中伸弥教授はジャスト・ギビング・ジャパンのサービスを活用して京都大学iPS細胞研究基金への寄付を呼びかけている
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