Youtubeパートナープログラムの狙い

グーグルのYouTubeパートナー・オペレーションズ北東アジアマネージャーの船越貴之氏
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 なぜグーグルはYoutubeパートナープログラムを実施しているのだろうか。「動画コンテンツを持っている人、面白い動画を見たい人、その動画に広告を出したい企業をつなげて、三者の利益を生み出すのがYoutubeパートナープログラムの狙いです」。そう語るのは、グーグルのYouTubeパートナー・オペレーションズ北東アジアマネージャーの船越貴之氏だ。

 動画のクリエイターが制作の資金をYouTubeで得ることで、優れたコンテンツの制作につながれば、さらに多くの人がYouTubeで動画を見る。閲覧者が増えれば広告価値も高まる。2008年に日本でスタートしたYouTubeの収益化プログラムは前述の通り、以前は招待制だった。今年4月に日本を含む20カ国で資格要件を改定し、YouTubeに動画をアップロードしている人なら誰でも参加できるようにした。

 グーグルでは、個人やセミプロを支援するため、ブログを通じて成功事例や動画編集ノウハウ、収益化のコツを発信している。今年4月の資格要件改定で、参加者は増えているという。

 クリエイター支援で力を入れているのが言語の壁だ。「どうしてもほかの先進国と比べると英語がハードルになります。YouTubeでは自動字幕機能を用意しています。英語だけでなく、フランス語などにすぐに翻訳できる機能もありますので、こういう機能をうまく使って、日本から世界に出ていってもらいたい」(船越氏)。

海外の視聴者に向けて、ニコ動からもスター誕生

 「海外の人に見てもらえている」。今回話を聞いた3人とも海外の視聴者を意識して番組を作っていた。英語でナレーションを入れたり、タグや説明も日本語と英語の両方を入れている。視聴者とのコミュニケーションやSNSを活用した宣伝活動などの動画アップロード後の活動にも抜かりがない。実は、動画を撮影したり、編集したりするよりも、動画アップロード後の作業が人気ユーチューバーには欠かせない作業と3人とも口をそろえる。YouTubeで人気を得るためには、海外の視聴者へ向けた英語での発信、SNSなどを活用した動画の拡散、視聴者からのコメントへ返信がポイントだ。

 誰もが人気ユーチューバーにすぐになれるわけではないが、米国のように生計を立てている日本のユーチューバーは確実に増えている。船越氏は、「クールジャパン、オタクカルチャー、京都、奈良など日本について知りたい人は海外にたくさんいる。先行する米国の真似をするのではなく、日本発の動画が増えてくるのに期待したい。第二のジャスティン・ビーバーが日本から登場してもらいたいですね」と語る。

 YouTube以外にもニワンゴの「ニコニコ動画」からも有名人は生まれている。歌手やピアニスト、女優、パフォーマーとしてネットを飛び出して活動中だ。こうした人たちが出演していたライブイベント「ニコニコ大会議」を開催。イベントは「ニコニコ超会議」と名称を変え、今後も継続していく。ニコニコ動画は米国で「niconico.com」を展開。YouTubeほどではないが、海外の視聴者へもリーチできる環境を急ピッチで整えている。

 新しいメディアとして既に市民権を得た動画共有サイト。その中で生計を立てる人たちは確実に増えている。今後、どんなスターや文化を生み出すのか注目したい。

(文/三浦善弘=日経トレンディネット)

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