キヤノン初のミラーレス一眼「EOS M」。購入検討者が不満に感じている部分を中心に、EOS Mは期待外れなのかを検証していこう
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 キヤノン初のミラーレス一眼「EOS M」の販売が2012年9月末に始まった。最新の販売ランキング(GfK調べ、2012年9月17日~10月14日集計分)では、レンズ交換式デジタル一眼部門でダブルレンズキットが6位にランクイン。好調な滑り出しを見せているようだ。

 だが、インターネットの掲示板などでは「撮影性能やレンズの本数を考えると、EOSシリーズのミラーレス一眼としては期待外れの仕上がり」といった厳しい声が見られる。「価格.com」の満足度調査でも、5点満点中3.36点(回答者は24名)と伸び悩む。

 EOS Mは本当に期待外れなのか、インターネットで指摘されているポイントを軸に、実写画像を交えて検証してみたい。

AF性能は速度に不満、EFレンズ装着時はレンズによって顕著になる傾向も

 インターネットでまず指摘されているのが、オートフォーカス性能だ。販売店の店頭でEOS Mの実機を手にした人が「ピント合わせがとにかく遅い」と感想を寄せることが多い。

 実際に撮影すると、オートフォーカスの速さで定評のあるオリンパスイメージングの「OM-D E-M5」などと比べると、遅めの印象は拭えない。背面モニターをタッチして撮影するタッチシャッターでも、E-M5はタッチした瞬間にシャッターが切れるのに対し、EOS Mは目で見える速さでススッとフォーカスが動いたあとにシャッターが切れる感覚だ。

 マウントアダプター経由でEFレンズを装着した際は、望遠系のレンズを中心にさらにピント合わせが遅くなる傾向が見られた。マクロレンズ「EF100mm F2.8L マクロ IS USM」を装着したところ、前後に大きくピントが動いて迷うシーンも多く見られた。大まかにマニュアルフォーカスで合わせてからオートフォーカスに頼る方法が実用的だと感じる。

 撮影した写真を見ると、薄暗いシーンでもピントの精度は高くて満足できる。だが、ピント合わせの遅さゆえ、動き回る子どもの撮影はちょっと厳しいと感じた。

 だが、将来的にこの状況は改善される可能性がある。ニコンのミラーレス一眼「Nikon 1」シリーズは、CMOSセンサー内に位相差AFセンサーを組み込むことで、キビキビとしたピント合わせを可能にした。同様の構造を採用しているEOS Mは、位相差AFセンサーの性能をフルに発揮していない印象を受ける。今後、ボディーやレンズのファームウエアを改良することで改善が図られる可能性もある。富士フイルムのミラーレス一眼「FUJIFILM X-Pro1」は、新しいファームウエアでオートフォーカスの速度が見違えるほど高まっただけに、EOS Mでも期待が持てそうだ。

標準ズームレンズ「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」で撮影。ピント合わせはややゆったりした印象ながら、タッチAFで思った場所にピントを合わせられるのは便利(ISO1600、1/125秒、F7.1)
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ライトアップされている帆船を撮影。オートホワイトバランスでは青くなりやすい水銀灯でのライトアップだったが、自然になるよう補正してくれた(ISO2500、1/50秒、F4.5)
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