「日本ロコモティブシンドローム研究会」を設立して同研究会委員長を務め、現在「ロコモ チャレンジ! 推進協議会」(http://www.locomo-joa.jp/)副委員長も務める大江隆史氏。蛍水会 名戸ヶ谷病院院長、東京大学整形外科非常勤講師

 厚労省が2003年から進めている国民の健康づくり運動「健康日本21」は、2013年2月で10年間の「第1次計画」期間が終了。2013年3月から次の10年間を対象にした「第2次計画」がスタートする。「第1次計画」で目指していた目標のひとつが「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の認知度向上だった。そのキャンペーンが功を奏し、スタート当時は2割程度だった「メタボ」という言葉の認知度は9割まで上昇している。

 そして、これから政府が広めようとしているのが「ロコモ」。現在、ロコモの認知度は17%程度(60代以上では30%)だが、政府は来年から始まる第2次計画で8割まで高めることを目標としている。若い世代だと「聞いたこともない」という人が多いのではないだろうか。

 はたして、ロコモとは何なのか。「日本ロコモティブシンドローム研究会」を設立して同研究会委員長を務め、現在「ロコモ チャレンジ! 推進協議会」副委員長でもある大江隆史氏に聞いた。

政府がメタボの次に広めようとしている「ロコモ」って何?

 ロコモは「ロコモティブ(Locomotive)シンドローム」(運動器症候群)の略。Locomotiveは「運動の」という意味(機関車という意味もある)で、骨や筋肉、関節など体を動かすために必要な「運動器」を表す。運動器は加齢によりその働きが衰えるため、歩く、立つなどの移動能力が衰え、生活の自立度が低くなる。その結果、介護が必要となってしまう。ロコモのためにメタボになって血管障害を併発したり、認知症を併発したりすることにもなるという。

 つまりロコモとは、「現在は自立できているが、近い将来、要介護になる危険性が高い症状を持っている状態や、すでに要介護になってしまっている状態」を表す言葉ということになる。