ボーズ QuietComfort 3
QuietComfort 3は発売以降、何度かパッケージが変更されており、現在市販されているものは2012年5月末から販売が始まった「QuietComfort3-SP」。iPhone等のアップル製品に対応するコントローラー/マイク付きケーブルが付属し、再生停止、音量、通話の操作や、ハンズフリー通話の可能なヘッドセットとして使える。
音質については相変わらずだ。オーディオプロセッサーで作った音であるのは間違いないが、非常に上手くチューニングされていて、人工的な味付けであるように感じさせない。しかも音の分離が良く、特定の帯域が飽和して解像感を失うようなこともない。そして改めて驚くのは、やはり消音効果に比べて動作ノイズが恐ろしく低いこと。音声の再生中は当然として、無音時でも気が付かないくらいノイズレベルは低い。
消音効果も非常に高い。特に中低域の外来音を均等に遮断するため、ヘッドホンを装着した際に、気圧が急激に変化したときのような違和感を覚えるほど。ただし、人の声の帯域までレベルが落ちてしまうので、ここは気になる人もいるだろう。人に話しかけられてもヘッドホンを外さないと、聞き取りにくい場面もある。
もうひとつの特徴は軽いこと。150g(バッテリー含む、ケーブル除く)という重さは、ドライバユニットのほかに電源、マイク、ノイズキャンセリング回路を内蔵しているとは信じられないほど軽い。ノーマルのヘッドホンでも、オンイヤータイプなら100g台の後半が当たり前だ。
ただ、この機種にも弱点はある。それはバッテリーが切れたら音が鳴らなくなること。最近ではノイズキャンセリングヘッドホンとはいえ、電源オフでも使えるものが増えているが、QuietComfort 3はバッテリーが切れたらうんともすんとも言わない。そのバッテリーも専用形状で、オプションとして追加購入する場合は、1個4725円と、デジタル一眼カメラのバッテリー並みに高い。