昨年に引き続き、今年も節電の夏がやってきた。

 宮沢賢治ではないが、「夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ」という具合に暑さを乗り切れれば良いが、オフィスのエアコンの設定温度は28度。どんなに丈夫な体であっても、こんなにムワッと暑くては、仕事に差しつかえそうだ。暑さをガマンし続けていると、体調を崩してしまうことだってあるかもしれない。

 一方で、「冷房弱者」と呼ばれる人たちがいる。

 冷房に弱く、電車では必ず弱冷房車に乗る。エアコンが効いた部屋の中ではすぐに「サムイ…」と感じ、ガマンし続けていると頭痛がしたり、お腹が痛くなったり。暑い夏でも上着が手放せない。こうした冷房が苦手な人のことだ。

 6月に空調機器メーカーのダイキンが実施した「夏場のエアコン利用と健康管理」に関する意識調査では、「冷房弱者」を「冷房の冷えすぎを苦手」とする人たちと定義。攻守が逆転した昨年の夏場の環境変化で、どのような対策や健康管理をしたのか調べている。その結果をみると、「冷房が苦手」と回答した人が、女性で64.7%、男性でも44.8%。全体で5割を超える「冷房弱者」がいることがわかった。

夏場のエアコンによる冷房は苦手ですか?(n=720)
冷房が苦手な「冷房弱者」は意外に多い
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 こうした人たちにとって、オフィスの節電は歓迎されたと思うが、一方で、自宅ではどうだったのだろう。調査では約7割の人が、昨夏、自宅のエアコン冷房を「控えた」と回答している。その結果「昨夏の自宅でのエアコン利用控えでは、男女ともに、大多数(97.0%)が暑さを感じて」いたようで、冷房弱者であっても、暑さに強いというわけではないようだ。

昨年の夏場、自宅でエアコンの冷房利用を控えた人は約7割に<択一>(n=720)
昨年の夏場、自宅でのエアコンの冷房利用を控えた際、暑さを感じることはありましたか?(n=500)
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 そもそも、「冷房弱者」とはどんな人たちなのだろう。女性や高齢者に多い印象があるが、前述の調査でみると、男性の半分弱(44.8%)が冷房が苦手。冷房に弱い人と、そうでない人にどのような差があるのだろうか。

 そこで、環境生理学が専門分野で、熱中症の予防や、生活様式と体温調節機能に関する研究を長年続けている横浜国立大学教育人間科学部教授 田中英登氏にお話を伺ってみた。田中教授によると、暑さに対する耐性は、男女、それから年令によっても差があるという。