日本の各家電メーカーは今、かつてない難局に立たされている。アナログ停波後のテレビ需要の落ち込みに加え、東日本大震災やタイの洪水、超円高の影響などで、2012年3月期にパナソニックが7800億円、シャープが2900億円、ソニーが2200億円の赤字を出すなど、事業の根幹を揺るがす危機に直面しているのだ。

 家電メーカーの顔であるテレビ事業も、想定を超えた激しい価格下落や、勝者なき国際競争の激化で将来が見えなくなってしまった。こうした状況下でパナソニックはAV家電の新コンセプトを発表した。それが「スマートAVライフ」である。

 スマートAVライフとは何か。果たして生き残りの切り札となるのか? 同社の薄型テレビ「スマートVIERA」とBDレコーダー「スマートDIGA」に託された起死回生の戦略に迫ってみよう。

パナソニックが2012年2月に発表した「スマートVIERAシリーズ」と「スマートDIGAシリーズ」
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デジタル第二世代が実現するスマートAVライフ

スマートVIERAシリーズの広報を担当するパナソニック AVCマーケティング ジャパン本部の山口耕平氏
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増田: テレビやレコーダーが進化すると同時に、AV家電をとりまく状況も激しく変化していますが、新しい情勢に対応して、スマートVIERAとスマートDIGAの位置づけはどのように変わるのでしょうか。

山口氏: 2011年のアナログ停波前のテレビやレコーダーを「デジタル第1世代」のAV機器とすると、今後は新しい「デジタル第2世代」を切り開いて行きたいと考えております。その中核を担うのが薄型テレビスマートVIERAとBDレコーダースマートDIGAです。周辺機器と連携しやすい、というデジタル家電のメリットを生かして、「いつでも」「どこでも」コンテンツが楽しめる新しいAV環境を目指し、それを「スマートAVライフ」として新たに提案しました。

「スマートVIERA DT5シリーズ」の55V型液晶モデル。海外モデルのようなグラス&メタルデザインを採用。ベゼルの下には同社テレビとして初めて「PANASONIC」のイルミネーションを採用した(消灯も可能)。台座もヘアライン処理が施されている
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プラズマモデル「VT5/GT5シリーズ」のほか、液晶モデル「DT5/ET5シリーズ」に55V型、47V型の大型IPS液晶モデルを新たに投入。VT5、GT5、DT5シリーズは従来と同じアクティブ型3Dモデルだが、3DメガネがBluetooth接続になった。ETシリーズは同社初のパッシブ型(偏光式)3Dを採用。全モデルが外付けUSB HDD録画に対応している。ネット機能も充実していて、全モデルがWi-Fi内蔵または対応で、お部屋ジャンプリンク機能を搭載。ネットサービス「もっとTV」と「ビエラ・コネクト」も全モデルが対応している
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パナソニック「スマートDIGAシリーズ」最新モデル。上位3モデルはトリプルチューナー内蔵で、外付けUSB HDD録画に対応。シンプルWi-Fi内蔵やマルチタスク性能の向上などが図られている
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