この記事は日経トレンディ2012年4月号(3月3日発売)特集「新・東京 マル得ランキング」の一部を転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 バイス、ホイス、カンダ……。呪文のような響きだが、すべて東京発祥の酒。実は東京は、ご当地アルコールの宝庫だ。東京スカイツリーがある墨田区から大森方面に延びる一帯は、焼酎を炭酸などで割る昔ながらの「下町ハイボール」を飲める店が多く、昨今のもつ焼きブームで一躍注目されている。

 例えば焼酎ハイボールに使う炭酸の一種、梅しそ味の「バイス」(コダマ飲料)は、ここ数年で出荷量が同社の「りんご」や「うめ」を抜き、「レモン」に次ぐ2位に。「もつ焼き人気やクチコミでバイスの味が再認識されたようだ」(コダマ飲料)。ブームの影響で下町の居酒屋を初めて訪れる人が増え、そこで常連客が飲んでいる“謎のハイボール”が発掘された形だ。

 バイスは大田区大森、ホイスは港区白金、カンダハイボールは千代田区神田が発祥。これらは比較的小さな工場で生産されているため流通量が少なく、どこでも飲めるというわけではない。そのレア感が人気に拍車をかけ、古くから東京に根づいたご当地アルコールとして今、脚光を浴びているのだ。

バイスレア度2
昔の記憶がよみがえる、懐かしい味と色
大田区大森の工場で作られる梅しそ味の炭酸飲料。「梅」と「酢」で「バイス」。焼酎90mlにバイス1瓶(200ml)の割合で混ぜる。駄菓子のような懐かしい梅の味が特徴
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ホイスレア度2
黄金色をした謎のハイボール
港区白金が発祥。かすかに薬草のような香りがする独特の味。「高根の花だった『ウイスキー』をもじって『ホイス』にした」(製造元の後藤商店)
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カンダハイボールレア度2
神田生まれの“ニアビール”
神田が発祥。ホイスよりもやや濃い味。「ビールの代替品として開発されたのが始まり」(製造元の神田食品研究所)
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電気ブランレア度1
浅草を代表する琥珀色のハイカラ酒
浅草の神谷バーが発祥。ブランデーに薬草などを配合したカクテルの一種。アルコール度数は30%と高く、ビールをチェイサー代わりにする人もいる
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梅割りレア度2
一気に酔える“3杯ルール”の強い酒
甲類焼酎に梅エキスを垂らしたもの。ほとんど焼酎のストレートでアルコール度数が高いため「3杯まで」という制限がある店が多い
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