カシオ計算機のコンパクトデジカメ「EXILIM EX-TR100」。国内での売れ行きは低調だったが、中国などのアジア圏では社会現象になるほどのブームを巻き起こした
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 カシオ計算機が2011年に発売したコンパクトデジカメ「EXILIM EX-TR100」が、台湾や中国などのアジア圏でブームを巻き起こしている。もともと日本での売れ行きは低調で、どちらかといえば不人気モデルに区分けされる。だが、アジア圏ではSNSをきっかけに若年層に火がつき、これまでデジカメに興味がなかった若い女性が先を争うように購買に走るほどになったという。ブレイクの要因は、EX-TR100ならではの自分撮り機能にあった。

 メーカー自身が「想像もしなかった」と語るEX-TR100がブレイクするまでの経緯や、今回のブレイクを今後日本市場にどのように生かしていくのかを、同社の担当者に取材した。

現地の人気モデルがSNSで自分撮りを披露したのがきっかけに、人気に火がついた

 EXILIMシリーズの海外戦略を担当する、営業本部 海外営業統括部 QV部 部長の藤井 寛氏によると、ブレイクのきっかけは2011年8月ごろだという。藤井氏は「若年層の間で人気のある香港在住の人気モデルが、自身で購入したEX-TR100で自分撮りした姿をたまたまSNSで公開した。それを見た若者たちの間で、『こんなきれいな自分撮りは見たことがない』『どんなカメラを使っているのか』とSNSで話題になった。これがきっかけで急激に火がついていった」と語る。

 EX-TR100が現地で注目されたのは、EX-TR100の特徴的な構造と、アジア圏の若年層の生活スタイルがうまくマッチしたためだ。

 EX-TR100は、カメラの外側にある枠のような部分(フレーム)とカメラが付いている部分、液晶モニターの部分が、それぞれ自在に回転する仕組みになっている。通常のデジカメのようなスタイルだけでなく、カメラと液晶モニターを同じ方向に向けての撮影が可能で、モニターを見ながらの自分撮りが容易にできるのが特徴だ。

フレーム部と液晶モニター部、カメラ部が自在に動く構造を採用。モニターを見ながらの自分撮りも容易にできる
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 日本人とアジア圏の人々の生活スタイルの違いもある。FacebookやTwitterなどのSNSにおいて、日本人は自分の顔を出すことを極力控える傾向が強い。逆に、中国をはじめとするアジア圏の人たちは、自分の顔を積極的に公開することを好む。「自分の顔をきれいに撮りたい」というニーズが、自分撮りが容易できれいに撮れるEX-TR100の注目度を高めたわけだ。